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日銀の次の一手(Devilish Story)

始めにこの記載については、何ら確証がないものであることを明記する。しかし、誰もが指摘しない事項であり、気づいていないのか、気づいていても知らないふりをしているのかが不明であり、匿名で公表することとした。もし、私の知らない所で同様の主張があった場合には偶然、同じ結論に至ったということとなる。

結論から書く、日銀の次の一手は『長期国債買切オペの停止若しくは減額』である。長期国債買切オペは現在月間1兆2千億円(3千億×4回)が実施されている。これを停止若しくは減額するということを私は予想しているということである。これから量的緩和解除を控えており、量的緩和解除時の長期金利上昇を抑える必要性を考えれば、そのようなことはないと主張する人もいるかもしれない。そのような人は本当にそうかということを良く考えて欲しい。

理由を記載すると長くなりますし、記載しても納得されるとは限りませんので、以下にキーワードを記載する。
・ デフレの罠(日銀研究所に論文が掲載)
・ 金融市場における市場性回復
・ 国の財政政策のモラルハザード
・ 新札発行
・ ペイオフ解禁
・ BIS規制バーゼルⅡのアウトライヤー規制
・ 日銀考査強化
・ ビハインド・ザ・カーブ・リスク
・ グリーンスパンFRB議長の金融政策


尚、私の結論の通り、長期国債買切オペが停止または減額された場合、国債先物市場が暴落すると考えられる。知り合いのディーラーに聞いた所、3日連続ストップ安になり、10年国債の利回りで0.7%以上上昇するのではないか、と言われた。これを聞いて尚、私の考えは変わっていない。

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8月27日発表の経済指標が弱かったことについて

8月27日に発表された経済指標で、完全失業率、勤労者世帯消費支出及び東京都区部消費者物価指数の数値が市場予想を下回った。完全失業率は市場予想4.6%に対して4.9%と、前月の4.6%を大幅に上回った。勤労者世帯消費支出は市場予想+6.0%に対して実質前年同月比+2.9%と大幅に下回った。東京都区部消費者物価指数は、生鮮食品を除くコアベースで市場予想▲0.1%に対して前年同月比▲0.2%と下落幅が大きかった。平たい言い方をすれば雇用が減少し、個人消費が低迷し、デフレが深刻ということ(それぞれ市場が思っていたよりもという意味)で、先行きの不安を掻き立てた。しかし、それぞれに理由があったと考えており、私なりの意見を下に記して置く。

まず、完全失業率であるが、自発的失業が多かったこと、特に24~35歳の年齢の失業が多かったことを重視している。これらは自身のキャリアアップを行うための前向きな失業であるとの解説がなされていたが、私もそのように考える。会計士になるために専門学校に通う或いは法科大学に通う等、資格を得るために会社を退職するケースが増えているそうだ。この理由で一時的に失業者が増えたのであれば、経済的に不安がないことは間違いない。更に、これらのキャリアアップは日本国全体の労働生産性の向上に寄与することであり、この点から過剰反応する必要はないとの結論を得た。

次に勤労者世帯消費支出についてであるが、当該数字は7月のもので酷暑による消費拡大を期待していたようだ。また、オリンピック特需でデジタル機器販売への期待もあり、これらが裏切られたということが要因にあるようだ。私は元々、+6%という数字自体が高すぎたと感じている。酷暑の消費拡大はエアコン等に確かに見られていたが、エアコン等への消費増は他のものを抑えたという面があると指摘されていた。また、オリンピック特需については、4月、5月頃にボーナス払で相応に先食いがあったと考えられ、直前の7月がそれほどでもなかったということにガッカリすることもないだろう。更に、消費支出の春先の拡大の背景として指摘されていた株価上昇が足元で収まっている中でのこの数字はむしろ健闘していると感じている。エコノミストの予想が世の中とずれていたのではないだろうか。

最後に消費者物価指数であるが、これは酷暑で米が豊作となったことに対する影響と考えている。一部で原油価格の上昇の影響と相殺されるとの話もあったが、原油価格の上昇はガソリン価格の上昇に影響を与えた程度で、電気代の上昇等の光熱費に影響を与えておらず、限定的であったようだ。日銀は消費者物価指数のコア指数がプラスになるまで量的緩和を続けるということを表明しており、6月頃に盛り上がった量的緩和出口論が後退するという面では今後の経済に好影響を与えるであろう。

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景気循環論について

先行の景気悲観論や株価の下落の根底に、景気循環論からのアプローチがあるように感ずる。この点について簡単に纏めて置こうと思う。


内閣府景気基準日付によると、現在の景気拡大期は2002年1月(暫定)から始まっており、2004年8月現在では、31ヶ月目に入っている。前回の景気拡大期(1999年1月~2000年10月)の21ヶ月(暫定)を既に上回っており、『そろそろ景気減速期に入るのでは?』という景気循環論からの弱気が台頭しているのは間違いない。今回の景気拡大が企業のリストラによる業績回復と、外需頼みであったため、米国経済の不安感がそのまま日本経済に連鎖しているものと考えられる。

加えて外国人投資家の言葉を借りて言われることだが、日本の政策当局は景気が拡大してくると、財政縮小や金利引き上げに動く傾向にあるということも前述の懸念を助長させているのだろう。例えば、消費税の議論が発生していることや、地方の三位一体の改革を通じた財政縮小、及び金融緩和出口論(敢えて、量的緩和とは言いません)などについては、これからも警戒しなければならないだろう。しかし、足元の景気への慎重さがこれらを行うことへの歯止めとなると考えられるので、むしろ理想的な状況となっているように感ずる。

ちなみに、1993年10月~1997年5月の43ヶ月及び1986年11月~1991年2月の51ヶ月というように、前々回およびその前回は、現在市場が想定しているよりも長期に及んでおり、この点から考えれば、更に1~2年の拡大期の継続は考えられない状況ではない。

『もうは、まだなり』という相場の言葉がある。上昇相場における早めの利食売を諌める意味であるが、景気循環論においても当て嵌まる言葉ではないだろうか。むしろ、景気拡大を過信し始めたころの方が余程不安になるべきではないだろうか。

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日本のGDP減速について

内閣府が13日発表した2004年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質が前期(1~3月)比年率換算では1.7%増となり、5期連続のプラス成長となった。但し、市場の事前予想の平均(年率3.7%増)を大きく下回った。

この数値を受け、8月13日の市場は、日経平均株価指数は10,800を割り込み、10年国債利回りは一時1.545%まで低下した。この数値がショッキングであったのは、米国経済に減速感が見え始めた状況下で、日本経済が好調と思われていた時期である4~6月期の水準が市場予想を下回ったため、発射台が予想よりも高くなく、先行き減速或いは失速すれが、2004年度政府見通しである年率3.5%の達成が難しいと見始めているからだ。当該数値発表前12日にはIMFが日本の2004年の成長率を3.4%から4.5%に上方修正されたばかりであり、期待感が大きかった分失望した面があるだろう。

GDPの数値の中身で気になる点があった。民間設備投資が前期比0%であったことである。日銀短観等で今年度の大幅設備投資増額方向が確認されており、この流れとの違和感があるため、この辺に統計の齟齬があるように感ずる。法人企業統計(9月6日発表)を見ないと何ともいえないが、9月に発表されるGDP2次速報値がこの点を中心に上方修正されると予想している。

また、足元の発射台が低いからと言って失望することもないと考えている。在庫が積み上がっての低生産ではないからだ。よく言われることだが、アテネ五輪での特需が終わればプラズマTV等の販売が落ち込むとのことから、在庫調整に走っているため、予想通りの販売落ち込みがあったとしても、それ以上の失速はないという点がある。また、AV機器については五輪後に新製品(プラズマでは地上波デジタル機能が付く等)が発売され、新たな需要が発生することと、その後の方が安く買えるというデフレ慣れした消費者心理もあるからだ。

結論から言えば、この数字だけで悲観はしていない。しかし、株価の下落は消費支出のマインドを引き下げるためその点が気掛かりである。

(先週記載した米国経済についてで、コメント欄に追加記載を行っている。その点を読めば、先行きの失速懸念をそれ程持っていないことの理由が判るであろう)

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米国経済について

米労働省が6日発表した7月の雇用統計(季節調整済み)の結果=非農業部門の就業者数は前月より3万2000人の増加。市場の事前予想は24万人。

この経済指標に限ったことではないが、米国経済の先行きが怪しくなってきた。原油価格の上昇が要因とされているが、これは7月20日のグリーンスパンFRB議長の議会証言で『個人消費の落ち込みは一時的。原油価格の上昇が要因であるため』というコメントを受けてのことだと思われる。この言葉は原油価格上昇が収まらなければ、米国経済の上昇は考えられないと捉えられているように思われる。しかし、私はそうではないと考えている。デフレが危惧されている市場においては、前述の考え方で正しいが、中国は既にインフレが危惧されるようになっており、米国もどちらかと言えばインフレが危惧されるようになったため、トレンドが変わったと考えている。インフレ、つまり将来の物価上昇期待が現れることになったため、原材料費の上昇を製品価格に転嫁することが困難であった状況から、それが可能な状況に転換したというように考えている。但し、消費者はデフレ時代の状況が記憶にあり、価格転嫁当初には混乱が発生する。この混乱の時期を一時的落ち込みと指したのではないか、と考えている。

しかし、だからと言って米国経済が順風とは言い難い。6月以降の経済指標の落ち込みには理由がある。勿論、原油高や消費の一循環(循環理論)等の問題もあるが、5月まであった減税効果(正しくは税還付)が剥落したことが大きい。巨額の財政赤字を背景に更なる経済追加措置は取り難いことを考慮すると、消費の落ち込みが一時的では済まない可能性は充分にある。この点を問題視して、株価は下落しているのであり、単に原油価格の上昇のみを危惧しているのではないことは注意が必要であろう。原油価格が下落したとしても、米国経済が拡大し続けるとは限らないとの見方に立てば、その段階で株価が上がらないかもしれないとのリスクは充分に考えられる。

米国経済の情勢が日本経済にどのような影響を与えるかにおいては、11月の米国大統領選挙が気掛かりになってきた。米国経済情勢悪化→ブッシュ敗戦→民主党ケリー大統領誕生→日本・中国の輸出批判→ドル安(円高・元高)政策の選択。まあ、この辺がリスク要因であろう。この流れが強ち否定できない状況において、日本の長期金利(10年国債利回り)が低下することも当然で、デフレ逆戻りともなれば、1.0~1.5%のレンジに戻す可能性もある。

但し、今の所はそこまでは想定していない。日本においてもデフレよりもインフレを危惧する状況になることが近づいてきていると感じているからだ。原油高に伴うガソリン価格の上昇が6月の全国消費者物価指数の下落幅を縮小させたとは一般的に言われていることであり、現状はそれよりも上昇している点を考慮すると、この影響は更に拡大していくだろう。今の所、電気代には反映されていないが、石炭による火力発電を行う等の対処の効果は限定的であろう。『景気は多少減速或いは失速するかもしれないが、デフレは確実に払拭される』という流れが出来ているように感じている。また、ケリー政権が行うであろう、円高政策で輸入価格が低下する可能性があるが、原油についてはOPECが米国のこの種の政策で収入が減少したとの考えがあり、減産措置による更なる価格上昇でこれを相殺にかかるという方向性を想定している。

とりあえず、10日のFOMCのコメントで以上のロジックの正しさを検証したいと考えている。

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