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本邦株式市場において新年の外国人買はあるか。

12月の日銀短観発表以降、株式相場がやや堅調な展開となっている。勿論、北米半導体BBレシオが1.0に回復する等、IT情報関連企業の一時の落ち込みが回復されていることも寄与していると思われるが、最も材料視されているのが、表題の“本邦株式市場おける新年の外人買”と考えている。

外国人買が新年に入るとの論拠として、外国人投資家の多くは12月決算であり、新年と同時に株式市場に参入してくるという点が挙げられている。この点について、小生の結論をまず記載すると、『新年に外国人が日本株を買うとは限らない』ということである。

だらだらとした文章を書いても仕方がないところであるので、ポイントを箇条書きにする。

・鉱工業生産指数の落ち込みが顕著。
・機械受注の民需(船舶・電力を除く)より、先行きの設備投資鈍化が予測できる。
・日銀短観で2004年度の数字は堅調であるが、大企業製造業の先行き(3ヵ月後)DI+15は9月の+26と比べると完全にピークアウトしている。
・同じく日銀短観で想定為替レートは106台であった。この前提が変われば、収益が変わる可能性が高い。
・2004年度に限ったことではないが、企業は利益の一部を設備投資に回しており、収益計画が変われば設備投資計画も変わるだろう。

為替については、米国経常赤字が問題となる。7-9月期時点の米国経常赤字は過去最大水準となっており、GDP比でもおよそ5.7%程度とプラザ合意前夜の水準よりも遥かに大きく、この点からドル安圧力は相当大きいと考えられる。更に、短期的には一段の赤字拡大が予想されている。

簡単に書けば、
円高(ドル安)⇒本邦収益計画の下方修正⇒本邦設備投資の下方修正
ということが特に製造業においては言えるであろう。

勿論、株式は製造業だけではなく、伸び率が増加した賞与の要因で個人消費は堅調であろうから、非製造業の寄与は期待できる。しかし、日経平均株価指数は製造業の影響が大きいことを考えれば、前述の状況で株価が下落した所を狙う方が合理的とは言えないだろうか。

一段の製造業の冷え込みを目の当たりにして尚、調整が軽微だと、現状の株価水準を維持できるであろうか。更なる在庫調整が発生するとの不安感が台頭するという状況が想定できないであろうか。

以上を踏まえると、外国人が新年に日本株を購入する確信は持てない。もしそうなるとするならば、以上の状況を市場が織り込み株価が下落した状況になった場合であろうと考えている。

株の弱気材料を並べておいて何ではあるが、小生のシナリオ通りに株価が下落したとするならば、長期的な買場が訪れたと考えるであろう。

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水野新日銀審議委員に思う2005年度に日銀が目指すこと

凡そ一ヶ月ぶりの記載となった。GDPの計算方式が改定される等、色々なことがあったが、為替市場以外の金融市場に変化を与えるような出来事がなく、ネタに困っていた面が正直ありましたが、本業が余りにも忙しく、休日に同じことをやる気力がなかったというのが本当の所。最も、誰も注目していないでしょうから特に問題はなかったと思いますが。

12月3日、水野日銀審議委員が就任会見を行った。現在の日銀審議委員のKeyマンは、植田氏であるが、彼は4月に任期満了を迎えることになる。この後任は不明であるが、水野氏が植田氏に代わるKeyマンになると考えている。理由は、初の市場関係者出身であることで、量的緩和解除等の市場心理のコントロールが不可欠な問題に対して実力を発揮することを期待している。

さて前置きが聊か長くなったが、本題に入る。水野氏のコメントをヒントに2005年度以降の日銀金融政策を予想してみた。

1.早期に金融政策の目標を当座預金残高から無担保コール翌日物の金利水準に変更。
  (但し、緩和政策の転換でないことは明示され、所謂ゼロ金利政策への回帰という所)
2.日銀による長期国債買切オペの額の縮小。
  (現在、一ヶ月に1兆2千億円を行っているが、3千億円程度へ段階的に縮小)
3.2005年度後半から2006年度中に無担保コール翌日物の金利を目標を0.1%に上昇。


上記の予想に対して、国債管理政策上の問題(長期金利急上昇を招く)という指摘がされるだろう。これについては、財務省の管轄で幾つかの対策が用意されている。

・定率減税の廃止等、財政均衡を目指す。
・金利SWAP取引により、国債償還の2008年問題を回避しようとしている。


最大の問題点は、政府や日銀の思惑通りに経済や市場が動くかということ。2001年に米国でテロが発生したことや、本年に新潟で地震が発生したこと等、必ず予想外のことは発生する。市場において足元では原油価格が上昇し為替が円高に振れていた(12月に入ってからこの逆方向に動いているが)。現在想定されていない問題を上手く越えていけるかどうかお手並み拝見といったところであろう。

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