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日本の景気が怪しくなってきた?

日本経済とご大層な表題を掲げながら、最近は(良く見直すとほとんど全部が)日本経済と関連はあるものの、直接解説したものではなかったので、この辺で2005年のシナリオを記載して見ようと思う。

2月16日に日本の10-12月期GDPが発表される。この内訳で最も注視しているのは、外需つまり日本の輸出の状況。前期に引き続き、外需が2期連続でマイナスになる可能性がある。GDPの計算方法が12月に変更されているため、正確な所は全く確認していないが、この通りであった場合、マスコミ(特に日経新聞だろうけど)が大騒ぎすることは請け合い。2月4~5日のG7において、中国人民元切り上げ問題の余波により、円高(特に対ユーロでの円高ということになろうが)になっていた場合、輸出の更なる落ち込みを危惧する声は大きいであろう。

GDPにおいて最大の構成項目である個人消費についても不安がある。1月28日に発表された12月勤労者世帯消費支出が前年同月比▲3.8%(実質)と大幅に落ち込んだ。可処分所得(=収入から税金と社会保険料を差し引いたもの)が前年同月比▲3.7%となったのは明白。12月の賞与は前年比で増加していたのであるから、税金や社会保険料の引上げが消費低迷に直結したこととなるだろう。介護保険料引上げ(昨年3月以降)、厚生年金保険料引上げ(昨年10月以降)及び配偶者特別控除縮小が原因となったということ。本年は定率減税半減と国民年金保険料引上げ(4月以降)が予定されている。厚生年金保険料は本年も引上げられる。これでも大丈夫だと言い張る政府関係者は余程面の皮が厚いと言える。


外需を伸ばすことで、企業が収益を回復させ、その結果株価が上昇し、可処分所得の増加から個人消費が堅調になるというシナリオで2003年以降、景気拡大をさせてきたが、シナリオの見直しが迫られている。以上のようなことを考慮すると、本年2月以降春先にかけて、経済状況は非常に暗くなりそうだ。「従って、春先にかけて株価が上昇することは考え難く、急落する可能性すらある」と言った所、エクイティの担当者は絶句していた。

不安を煽っておいて何だが、4月頃に株価が1万円に接近することがあれば、株の買を推奨する。この点については、前述の通りになった段階で明かしたいと考えている。
(仕事でやっていることと同じなので、今後、この種の記載は多分余りやらないでしょう)

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買ってはいけないもの。学校債、病院債そしてミニ公募地方債

前週、日経紙一面に学校債及び病院債に関する特集記事があった。これらは証券会社等の金融仲介業者を介さず直接投資家に販売されるものであり、『(証券会社を介する)社債よりも低利で調達できた』との起債担当者の意見(記事を一読しただけなので、正確性には欠ける点をご容赦!)に違和感を感じた。

金融仲介業者を介さないことでマージンは省ける、丁度、産地直送の野菜のように、社債供給者と社債投資家の双方が金融仲介業者にマージンを払わないメリットを受けることが出来るとの印象を与えられるかもしれない。しかし、実際はそうではない。小生の感覚においては、社債供給者が投資家に対して自身の有利な条件で一方的に発行している“有利発行(※)”の可能性が極めて高いと考えている。

※有利発行
有利発行とは、合併を阻止する目的で親密な第三者に有利な条件で株式を発行する行為を指し、有利発行での株式発行は無効とされる(ストックオプション等の例外あり)。小生が言うこの場合は、立場を利用し投資家に対して自身にとって有利な条件で押し付けるという所謂、独占禁止法上の違反行為や、リスク認識が充分でない投資家の無知に付け込む形での発行を意味している。


学校や病院の発展に共感して社債投資をする投資家もいると同記事では記載していた。ただ、このような場合には寄付行為を受け付ける格好の方が、税制上のメリットもあるため、良いように思う。小生の元に以前、卒業した大学から学校債の投資勧誘があった。5年の学校債が同期間の国債の利回りを下回っていたため、その旨を指摘した。そのためかどうかは定かではないが、学校債の利回りが改定され、国債と同利回りとなっていた(それでも市場実勢を大きく下回っている)。恐らく同様の問題がそこここの学校債や病院債にはあるのではないか。金融仲介業者を介するメリットとしては、社債供給者と社債投資家の間に立ち、妥当な価値(利回り)で起債に結び付ける点がある。これらの社債に投資する場合には、投資家は自ら社債の価値が妥当であることを確認しなければならないが、それは極めて難しいことではないだろうか。

最近、学校や病院が格付を取得することがある。この格付をもってある程度信用力を推し量ることはできるが、格付会社も商売であるため、実態以上に格付を高めにする可能性は否定できない。最近は、BIS規制バーゼルⅡで日本の金融当局が勝手格付を認めない模様であるため、格付機関による格上げラッシュとなっている。ちなみに、格付機関の格付が間違えであったことで、社債がデフォルトしても格付機関は何ら責任を負うことはない(評判は悪くなるだろうが、適当に言い訳して薄めるだろう)。

以上が、小職の学校債や病院債に対する正直な意見であり、絶対に買ってはいけないと考えている。

ミニ公募地方債については、学校債や病院債程嫌悪はしていない。しかし、これも買ってはいけないと考えている。理由は以下の2点。
1.販売先を居住者に限定
2.条件が自治体にやや有利な条件で決定する傾向が見られる
2については、個人投資家が運用できる債券が少ない面があるため、多少は致し方ないと考えているが、1については最悪。当該自治体で大規模な災害が発生した場合を想定して欲しい。投資家は災害復興の為の現金支出で社債を売却するだろうし、当該自治体は同じ理由で新規社債を発行するため、社債の需給が著しく損なわれる可能性があり、この双方が経済的に不利になる。

リスク管理上、地域分散は重要と考えている。首都圏に居を構えている小生は、東京電力株を持っておらず、他の電力(中部や関西等)を保有している。地域性だけが理由ではないが、大きな理由であるのは確かである。

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ポジションに関係ない話

昨年8月29日に記載した記事について、ふれている掲示板を発見した。

http://www.ichigobbs.net/cgi/15bbs/economy/0918/
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663 名前:音速の名無しさん 投稿日:04/08/30 01:54
<略>
ところで強烈な(アンチリフレ)サイトを発見。
http://yohsshi.cocolog-nifty.com/
いわゆるポジショントーク系でしょうか?
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巷で、当サイトは“アンチ・リフレ・サイト”と呼ばれているらしい。

リフレ政策を完全に否定するつもりはないが、これからは必要としないという考えであることは確か。リフレ政策が必要とされてきたのは、金融不安が高まり企業が資金繰りに困る可能性があったためで、不良債権処理が進み、企業業績が回復する中で必要性がなくなってきたのではないか。

リフレ政策論者の多くは、『現状ではインフレに陥るリスクは極めて小さい』との指摘をする。ある意味正しいと考えているが、経済が机上の通りに動かないの周知の通りであり、予想外のことが発生した場合、急激に危険性が高まる可能性があると考えている。

従って、僅かなリスクであろうともそれに対処する必要があると考えており、特に量的緩和解除が必要とされるようになった現在では転換のタイミングが近づいていると考えている。

日本が共産主義で計画経済で進むということであれば、市場を無視して、バーナンキの背理法によるリフレを推進しても良いのかもしれない。しかし、日本は資本主義で、共産主義の中国に対して市場開放を説く立場にある。この点から、現在損なわれている金利の市場性を取り戻すことが重要であると、当該記事では示した。金利変動が一時的に経済を後退させることは否定しないが、金利の弾力性がハイパーインフレリスクを後退させるということも確かである。

植物は水や肥料をやり過ぎると根腐れを起こす。経済も同様ではないか。金融時に水や肥料を行うことは必要だが、平時には放任主義の方が強い根が育つように思う。

以上、全く自分のポジションには関係のない話。

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米国の双子の赤字を減少させるためには?

またしても米国ネタを記載しようと思う。

米国の双子の赤字を減少させるためには、どうすれば良いかについてであるが、概ね以下の方策を取ることになると考えている。
1. ドル安政策により、輸出企業の競争力を高め、貿易赤字を減少
2. 財政支出を抑え、財政赤字を減少
3. 金利を上昇させ、実質金利をプラスに転じ、現状の家計の消費体質の変更

1は景気上昇要因、2と3は景気鈍化要因となる。この点から考えて、2005年の米国経済は減速傾向を辿ることを避けられず、失速に陥る可能性があることが指摘できる。しかし、それ程グリーンスパンは愚かであろうか?ソフトランディングする方策を考えているはずであり、3の政策如何になるのではなかろうか。

現在、米国株は昨年来高値近辺にいる。この状況では、『バブル発生の危惧』を大儀としてのFOMCの利上げ持続は当然の選択となるだろう。従って、2月での利上げがされることとなり、今後も引き締め方向を維持することになるだろう。では、引き締め方向を転換する場合はどういう状況かと言えば、株価に下値不安が出てきた状況と考えている。

小生の予想通りの金融政策が行われたとすると、株価は高値を抜くことは難しく、安値ではサポートされると考えられるため、やや横ばい的な展開が持続するのではないだろうか。勿論、想定し難い問題も多く、一番の不確定要素は原油で、これが少なくとも40ドル台前半で落ち着くということが条件であろう。原油が急騰した場合には景気の失速懸念とインフレ懸念が同時に高まり、金融政策の運営は神経質なものとなり、予想が困難なものとなるだろう。

では日本の株への影響であるが、日本株が米国株をオーバー・パフォームする自信を持つ人は少ないであろう。勿論、来るべきM&A時代で株価上昇を期待するコメントは多いが、病み上がりの日本株が絶好調とはいかないと考えている。本来であれば、日本はインフレ政策を維持すべきであるにも拘らず、定率減税廃止等に着手してしまった。橋本政権が、或いは速水日銀総裁が行った景気回復期の冷や水にならなければ良いが、歴史は繰り返すと言いますし、要注意ではないでしょうか。

ちなみに、2~4月に株価が下落すればそこは買と考えています。今年は悪くとも昨年下期の長期のもみ合い相場の持続と考えているためです。

年初の思う所を記載致しました。当たらぬも八卦と言う所でしょうか。

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