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意外感のあった鉱工業生産指数

29日発表の5月の鉱工業生産指数は、市場コンセンサス通りの前月比▲2.3%となったが、小生にとってはやや意外感のある結果となった。4月の反動で生産と出荷が落ち込む一方で、在庫は前月比横ばいでこの点については想定通り。但し、電子部品デバイス工業の在庫循環についてが問題となった。

5月の貿易統計で電子部品デバイス工業の輸出が減少していることは判っていたため、ある程度の在庫の積み上がりを覚悟していたが、これが想像よりも大きく、6月中に在庫調整が終了するという基本シナリオが後ズレする可能性が高まったことが意外だった。

もう一つの意外感はそのような数値にも拘らず、株価がほとんど売り込まれなかったことである。日銀短観待ちであることや外国人の中間期末でのお化粧買があるにしても反応の鈍さが意外であった。後ズレ=株価下落となる必要はないが、押し目がないと相場の吹き上がりが鈍くこの点での影響を危惧している。

明日の夜は最大の山場の米国FOMCである。小生が主張している今回での利上げ打ち止めと同意見は少数派であるが、それによる相場に動意が戻ることを期待している。

例によって、平日なので短めです。

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『木村剛氏のコラム』への意見

6月21日付の木村剛氏のコラム『大手銀の貸し出しスタンスの変化注視』を読んで、読者にミスリードを与える内容と感じた。木村氏は以前も同様のコラムを記載しており、その時に小生が記載した記事もご参照頂きたい。

形を変えた不動産投機

『特定の不動産事業に融資し、その特定事業からの収益だけに返済原資を限定するノンリコース融資は、一昔前には考えられなかったブームとなっている。かつては新生銀行しか実施しようとしなかったこの融資に大手銀行が怒涛のごとく押し寄せてきているのだ。
日本経済新聞によれば、大手銀行におけるノンリコース融資の3月末残高は4兆円となって前年度比5割増えたという。国内銀行全体では新規融資が2.9%減っている中で、不動産向けだけは15.3%増加している。新規融資全体に占める不動産業向けの割合は19.9%に達し、バブル期の水準を上回っている。』

ノンリコース融資拡大は、REIT(不動産投信)販売好調が好影響として現れたものであろう。REIT販売好調は、ペイオフ解禁や年金不振での背景がある。金融システムや年金制度が健全性を保てないというある種の政府の怠慢によって、発生しているものであることに少なからず憤りを感じないではない。それよりも現在の不動産融資の拡大が1980年代のそれと何か異なる点があるのだろうか。一時の繁栄を歓迎しないではないが、経済実態から過大に評価された資産価格は必ず経済実態に引き戻される。現在の不幸はそこから始まったのではなかろうか。人は同じ過ちを繰り返すというものである。

特定の不動産事業に融資し、その特定事業からの収益だけに返済原資を限定するノンリコース融資は、一昔前には考えられなかったブームとなっている。かつては新生銀行しか実施しようとしなかったこの融資に大手銀行が怒涛のごとく押し寄せてきているのだ。
 日本経済新聞によれば、大手銀行におけるノンリコース融資の3月末残高は4兆円となって前年度比5割増えたという。国内銀行全体では新規融資が2.9%減っている中で、不動産向けだけは15.3%増加している。新規融資全体に占める不動産業向けの割合は19.9%に達し、バブル期の水準を上回っている。

米国で一般的な在庫・売掛金融資

『中小企業向け融資も本格的な活発化の兆しがある。融資先の在庫や売掛債権に着目した新型融資を強化しており、2-4%の貸出金利は中小企業にとって干天の慈雨になるだろう。』

新たな試みとして紹介されているが、米国では既に一般化している。一ヶ月毎に売掛債権や在庫の金額の報告を受け、それを元に融資金額上限を決めるという方法である。売掛債権金額の80%、在庫金額の50%を上限に融資するという形で、当座預金貸越に近い形と言える。一般的に優先債権(社債等)よりも返済順位が高く、リスクが少なく従って貸出金利は小さいとされている(※三井住友銀行が実施している方法は存じてなく、米国での方向を紹介)。不動産担保に傾斜していた日本の貸出制度の幅を広げるという点においては良いことであろう。

但し、課題がない訳ではない。当該貸出を行う金融機関が少なく、歴史が浅いことからリスクの割りに金利が高いように感じられる。また、特に債務不履行時の在庫の換金ルートが整備されておらず、これらの改善で融資の比率を上昇させる必要もあるだろう。

ちなみに、日本の中小企業に対する金融は、中小企業金融公庫や国民生活金融公庫等の政府系金融機関が果たす役割が小さくない。政府系金融機関が統合される方向となっている。政府系金融機関が果たす役割が変更されるのか、また変更された後、中小企業金融へ問題が発生しないのか。この点での議論がどうなるか注目に値するであろう。

気になるミスリード

『そうなれば、低下する一方だった信用乗数(現金などベースマネーに対して、信用をどれだけ供給しているかを示す数値)もいずれ反転してこよう。1992年にベースマネーに対して13.3倍の信用を供給してきたわが国の銀行システムは、直近では6.4倍程度の信用しか供給していない。これが正常化するということになれば、大量のマネーが日本経済を駆け巡る可能性も否定できない。
マネーサプライの動きは未だ緩慢ではあるが、2%程度の水準をかなり長い間持続しており、日本経済が正常化したとするならば、まずまずの伸び率。
この間、名目GDPに対するマネーサプライの比率は140%と、バブル期のピークである110%を大きく上回っている。名目GDPに対するキャッシュの比率でみると、バブル期ですら8.8%止まりだったのに、デフレ局面でのタンス預金増の影響もあって現在は何と14.6%。マグマは密かに眠っている。
大手銀行の貸出スタンスの変化は、信用乗数に、そしてマネーサプライにいかなる変化をもたらすのだろうか。』

前述の事例で如何にもマネーサプライが伸びるような錯覚を与えていることがミスリードである。不動産融資は、不動産を購入するために行われるものであり、一方で不動産を売却した側に資金が入る。この売却資金の多くは、銀行貸出の返済等の負債圧縮に利用されていることが多い。従って、借り手が変わるだけで全体として貸出が伸びているという状況にあるのではないか。

中小企業向け貸出増加についても、不動産担保融資や個人事業主融資の形が変わっただけという面もあり、全体としての貸出が伸びているという状況にはつながっていない。木村氏の出身である日銀の統計で確認してみると良いだろう。

信用乗数について、銀行システム機能が落ちているため機能しなくなったように記載されているが、これもミスリードと感ずる。資金需要がないにも拘らず、ベースマネーを増大したが、資金調達と資金運用が共にゼロに収束する中で信用乗数が弾力的に極大化したことが背景であり、日銀の量的緩和の副産物であると言えるだろう。今後、信用乗数は低下傾向になると考えているが、これは銀行システム機能の回復というよりも、それを背景に日銀が将来、金利政策による金融政策への復帰に向けて、ゼロ金利政策時の信用乗数に落とすべく、ベースマネーの供給に制限を加えていく方向であるからだと考えている。但し、この点については政府の抵抗が厳しく簡単には進まない。この点に触れることも今後あるだろう。

トラックバックについて、全く関係のない内容であるにも拘らず、実施されている例を多数見かけますが、良いことなのでしょうか。BLOGの健全な発展を考えるならば、その内容に即して、同調する意見や異論を述べることが好ましいように思います。

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(続)足許弱・先行強の日本経済

予告通り、株式強気の論拠を中心に現状を整理したいと考えている。

現状の市場は経済指標よりも外部環境等のセンチメントに左右される

日本の経済情勢は、先行きが上昇するか低迷するかが釈然としてない”踊り場”状況が持続している。前回記事で記載したことが例となるように、足許の軟弱性と先行きの期待が同居する場合や、足許の堅調さと先行きの懸念が同居するという強弱が混在する状況が続くであろう。そのような場合、市場参加者は相場の上下を経済情勢から判断することはできず、株価の横ばいの判断を強めることになる。経済情勢の判断である横ばいの予想通り、実際の相場も横ばいとなる場合も存在するが、上か下に振れることの方が多いと感じている。上下に振れた後にレンジを確認してから横這うというのが基本的なパターンである。

経済情勢横ばいの中での上下の振れの幅は一般的には極めて小さい。しかし、しばしば市場関係者の横ばい予想レンジを超えることがある。このような場合には、多くの市場関係者が気付かない材料に一部の市場関係者が気付き、自身がポジションを傾けた後にそれをリークすることで相場を振れさせる。リークで相場の振れの片棒を担がされるのが、ストラテージストや日経新聞等のマスコミである。既知のことであろうが、これらのリークがマスコミに報道された場合、その材料が市場では織り込まれていることが多い。ただ、その内容がセンセーショナルであれば、リーク後も相場が大きく振れ続けることがある。小生はその可能性のある一部の市場関係者が気付き、自身のポジションを傾け始めたものを発見したため、相場の強気論者に転じたということである。

尚、一部の市場関係者のみが気付く材料は、経済指標の統計の齟齬や”需給”と評されるものである。”需給”の良い悪いを説明するために外部環境等の市場センチメント材料が利用されることがあり、その点を踏まえる必要がある。

小生の強気材料は使い古された外国人買

前回記事から引っ張り、今回の記事でもかなり焦らした上での結論が外国人買とはさぞかし失笑を誘うものであろう。外国人買の背景記載でご容赦いただければと思う。

まず、外国人の7月の買の背景を箇条書きにする。

  1. 株割安、債券割高状況からの株買・債券売を選択
  2. ヘッジファンドが利回りプラス化でリスク許容拡大
  3. M&A防衛策が制限される流れでM&A期待の回復
  4. 海外株との相対比較感で割安
  5. 世界的な金融緩和での金融相場への期待
  6. 株価、四半期初(末)高・四半期央安のサイクル
  7. 円安→増益→配当増→配当利回り上昇の好循環

一方、懸念材料は

  • 原油高持続
  • 米中景気減速傾向
  • 日銀の量的緩和解除への転換懸念
  • 政府の増税路線への傾斜懸念

勿論、懸念材料を買い材料が上回っている為、外国人が7月に買に動くと読んでいる。

株割安、債券割高状況の2003年5月頃との類似性

前段の買材料のうち、決め手となったのは『株と債券の割高・割安』である。この指標は色々あるが、イールド・スプレッドを採用した。イールド・スプレッドとは、10年国債利回りと株式益利回り(PERの逆数)の差で、数字が大きいと株割高・債券割安、数字が小さいと株割安・債券割高となる。NK225の株式益利回りが取れなかったため、東証1部のイールド・スプレッドで見ると、現状は▲4.5%程度。ここの所、▲2〜▲4のレンジで推移していたが、下抜けした格好で、2003年5月の▲5.1%に接近している。2003年5月にはりそな銀行の一時国有化が決定され、外国人投資家の株買・債券売のきっかけになった。ちなみに、2003年6月には外国人の債券売で10年国債利回りが1ヶ月程度で0.4%台から1.4%に急上昇している。

10年国債利回りの低下幅が小さかったため、今後発生するであろう10年国債利回りの上昇幅は2003年のそれよりは小さなものとなるだろう。そう言えば当時は、『グローバル・デフレ』で世界的な金利低下で10年国債利回りが低下すると主張していた人が居た。現在、『グローバル・フラットニング(長短金利差縮小)』と言われていることは皮肉な巡り合わせと言えるかもしれない。債券ストラテジストが主張していた6月の金利上昇は不発であったため、一旦金利上昇を撤回するかもしれない。相場が動く時には皆が警戒を解いた時が多いということを考慮すると7月の金利上昇の可能性が高いのかもしれない。リクエストがあればこの点について論ずることもあるかもしれない。

話を戻すが、イールド・スプレッドから外国人の株買・債券売が入り易いということが相場が動く理由として大きく、3月末の引値という上値抵抗を突破する読みに変更したというのが前回の記事の結論。このことに気付いたため、上値抵抗を1万2千円近辺に引き上げたということである。不安がない訳ではなく、できれば原油価格が落ち着いて欲しいというのが本音である。そうなれば、またディーラー氏にディーナーをご馳走になるという結論になりそうだ。

アクセス数が驚くべき程伸びています。最も、最近は過去記事が読まれていることが多く、同じ人が幾つもの記事を読んでいるためということで、読者の裾野が広がっているということではないのかもしれません。今記載していることが、現在に役に立たないかもしれませんが、近い将来に役に立つということであるならば、BLOGは時間をも超越できるということになるでしょう。

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足許弱・先行強の日本経済

22日発表の貿易統計、23日発表の法人企業景気予測調査の発表を経て得られた日本経済の結論は足許が弱く、先行が強いというものであった。強弱ミックスで相場をトレンドを見出すには不充分であり、結論は来週の指標発表等に先送りされた感がある。現状の材料を整理しておこうと思う。

鉱工業生産指数の下振れを示唆した貿易統計

貿易統計の輸出数量指数が2ヶ月連続で前年同月比マイナスとなった。輸出数量と鉱工業生産は相関性が高いことから、来週発表の鉱工業生産指数の数値の下振れが危惧される。輸出の中でも電子部品関係の減少幅が目立つため、同セクターの在庫調整が後退している可能性がある。

これを持って株を売って良いだろうか?小生の答えは否である。電子部品の輸出減少は輸出先の在庫調整が進展しているとも言える面もある。来年、マイクロソフトから発売されるOS或いはPCの64ビット化は確実にこれらの需要を増大させるだろう。先行きの期待を考えれば、足許の脆弱時が格好の買場のように感じられる。

鉱工業生産が下振れして、株価が下落すれば買である。これとは逆に債券は逆に買われれば売と考えている。

日銀短観の回復傾向を示した法人企業景気予測調査

法人企業景気予測調査から日銀短観を予想することは困難であるが、少なくとも日銀短観の先行きDIの数値は3月調査の業況指数+14や現時点の予想+15を上回りそうである。業況指数が予想+15を下回る可能性はあり、足許弱・先行き強となり、相殺される可能性がある。

足許弱・先行き強の数字の場合、株式市場は上昇するだろうか、下落するだろうか、それとも横ばいだろうか。市場の常として、先行きの期待感が優先するのではないだろうか。特に春先の下落局面で買シコリとなった1万5千円程度でもたついている株価が先行きの期待感を既に織り込んでいるとは思えない。

気が付けば、社内最大の株式強気論者になっていた

現状水準でのもみ合い予想の人間が多い中、7月相場に向けて最大の株式強気論者になっていた。前週末に1万7千円を抜けない可能性を示唆する記事を記載したが撤回させて頂く。詳しくは今週末に記載予定。

ココログにアクセスできず、記事更新がままならない状況を何とかして欲しいと思います。記載間隔が空いてもご容赦くださいませ。しかし、これを読んでいる人は圧倒的にご同業が多そうである。15時引け後(相場が暇な時は日中に伸びている)にアクセスが殺到しているからです。やはり、何らかの対策を講じねばならなそうです。

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エコノミストの限界

グリーンスパンFRB議長の謎について、以前も記載した。この点について、継続的に研究をしているが、その過程でエコノミストがこの謎の解明を行うことには限界があることが判明した。その点について及び、’80年代後半の日本との比較を重ねて行ってみようと考えてみた。


米国情勢におけるエコノミストの疑問

米国における最大の問題点とは、名目GDPの伸び率(一般的には前年同期比のものを使用)と10年国債利回りを比較して、10年国債利回りが2年以上も名目GDPを下回っていることであった。エコノミストが10年国債利回りの予想を行う時に名目GDPを予想し、これに、リスクプレミアム(現在はほとんどゼロ)を付与することで行っている。つまり、この2年間の間、エコノミストによる10年国債利回りの予想は外れ続けて来たことになる。自身の判らないものを人は、謎と呼ぶ。グリーンスパンはエコノミスト達が持っている謎を指摘したということになる。

米国の金融政策を巡る論争で、実質金利がプラス(=FF金利-消費者物価指数)に転じ、景気に減速感が出ている状況なので利上げを打ち止めすべきという派と、将来、インフレ懸念が加速する為、予防的に更に利上げを行う必要という派に二別できる。この差は、前述の『名目GDP>10年国債利回り』の解消が、名目GDPが下落していくことで行われるということと、名目GDPが下落しない為、インフレ懸念を防ぐ為に10年国債利回りの方を上昇させるため、FF金利を上昇させるということの差と考えて差し支えないだろう。両極端な論を名目GDPと10年国債利回りとのバランスを踏まえて考えれば、自身の目線に落とすことは可能であろう。

名目GDPよりも10年国債利回りが下回る理由

前述の米国の金融政策を巡る論争で自身の判断を行う上において、名目GDPが10年国債利回りが下回ることの解析が必要となろう。これについては決定的な理由を絞り込むことが困難であるため、可能性があるものについて箇条書きを行うこととする。

  1. 原油価格上昇を吸収するため、加工費用に対するデフレ圧力がある
  2. 米国政策金利上昇で実質金利が上昇したことで、米国に資金が流入
  3. テロとの戦い以降、最近のGM問題も含め、質への逃避が持続
  4. 実際の物価上昇率が、統計数字よりも遥かに小さい可能性

最近の米国情勢と'80年代後半の日本の情勢の比較

'80年代後半の日本においても、『名目GDP>10年国債利回り』となっていた。この時と最近の米国情勢の比較を行ってみた。

<'80年代後半の日本と最近の米国の類似点

  • 当時の日本の大蔵省は赤字国債発行を辞めるということを目指しており、財政赤字削減を目指している最近の米国と良く似ている。財政赤字削減という点で『名目GDP>10年国債利回り』は望ましいと考える状況。
  • 当時の日本は土地価格が上昇する所謂バブル状態で、米国も一部の住宅価格が上昇している。
  • 国債の長短金利差でにおいて、当時の日本は国債物不足から金利上昇時にフラット化した。現在の米国も同様。
  • 年金制度の改革が迫られている点で似ている

<'80年代後半の日本と最近の米国の相違点

  • 日本は公定歩合の最低水準を2年半持続したが、米国は1年しか持続していない
  • 日本の株価はGDPの成長率から大きく乖離するほど上昇したが、最近の米国はそれほどでもない。
  • 日本の個人投資家は預金の比率が高く、米国は預金の比率が低い。つまり、日本は株価下落で個人消費の影響が米国よりも出難い。

この他にも指摘できる部分があるが、小生の結論としては上記で充分だろう。財政赤字の再建には、米国の経済を冷やし過ぎることは問題である。株価が下落しない程度の微妙な金融引き締めに止める必要があると考えている。また、予防的な引き締めをおこなっているため、インフレの過熱を心配する必要がない。以上を踏まえて、小生は利上げ打ち止めが近いとの説が有力であるとの立場を取っている。

「中央銀行の使命は物価の安定であり、グリーンスパンはインフレを重視するはず」という意見を言う人がいるだろう。そう考える方は、一度グリーンスパンの本を読むべきだろう。財政赤字削減が長期のインフレ安定に寄与するとの立場を取ってきたことが良く判るだろう。来年、グリーンスパンはFRB議長を辞職する。その後の仕事が何であるかは決まっていないが、近い将来、共和党政権での財務長官を行う可能性があると考えているのは小生だけであろうか。

エコノミストや経済学者は、教科書的な理論から外れた場合に無力だと思います。そのため、投資家が惑わされることも少なくないと思います。この点を踏まえて、色々な意見に振れていただければとこの回の例を記載致しました。

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日経平均11,700近辺の戦い方

「日経平均株価指数が11,700近辺(6月17日の終値11,514.03)に上昇した場合、どうしたら良いと思うか?」
ディーラー氏から冒頭のような問いを投げかけられた。今週の株式相場が小生のイメージ通り(念のため、為替と金利は外しました)、最近の上値抵抗を抜いたものであったため、来週以降も小生の意見で一儲けを企んでのことであった。小生の回答は「難しいネ」の一言。11,700近辺への上昇の仕方で結論が変わるということと、最近の材料が強弱ミックスの中でやや強気材料でトレンドが出たというトレンドの脆弱性があることが問題を難しくしている。最も、一言ではあんまりなので、材料整理をしてあげました。以下はそのポイント。


11,700近辺のKeyとなるポイント

11,700近辺という水準でのポイントについて、小生とディーラー氏は認識しているが、そうでない方もあるだろう。まずこれについて解説しておこう。日経平均がダブル・ボトムを形成していることは周知であろう。この上昇時のターゲットは11,640、日経平均の場合にはターゲットを突き抜けることがほとんどであり、これを上回る期待が高いと考えている。一方、上値の抵抗として存在するのは昨年度末の11,668.95である。これを越える確証が得られれば、その水準を買で臨み、上抜けすれば戻り高値の11,911.90を目指す展望が描ける。しかし、年度末水準に達することが出来ず失速すれば、株価は低迷を辿るという未来となる。その重要なポイントであり、その判断として今年度の景気や企業収益が前年度を上回る或いはその期待感が高まるか否かということではないか。


懸念材料!米国経済

9日のGスパン議会証言以降、米国長期金利が上昇傾向となっている。利上げ継続を示唆する発言を行ったことで、市場が景気拡大の持続することへの自信を取り戻しているということの表れとも取れる。しかし、6月30日FOMCでの利上げを否定しなかっただけと受け止める方が妥当と考えている。

6月16日発表の米国・週次新規失業保険請求件数において、需給比率が2.1%(4月中旬以降2.0%が持続していた)に上昇した(当該数字をチェックしているとすれば、プロ中のプロか単なる変人)。当該数字は雇用統計の失業率との連動性が高い。この点を考えれば来月に発表される雇用統計が前月よりも悪化する可能性を示唆している。ちなみに、6月に発表された5月の雇用統計でヘッドラインの非農業部門雇用者数の数値が大きく下振れしていた。2ヶ月連続で雇用環境が良くないということであれば、市場もFRBも考え方を改める可能性がある。というのは流石に言い過ぎかもしれないが、そのような危惧が指摘され、市場が反応する程度はあるかもしれない。

少し前にも行ったことであるが、今週発表されたNY連銀指数とフィラデルフィア連銀指数から来月初発表の6月ISM製造業指数の試算を行った。その結果は50.7(5月推定値50.4)で、5月の数字51.4よりも低い。景況感の分かれ目である50を割り込む可能性もそこそこ高い(40%程度と推定)。その可能性は5月発表時点よりも低く、一方でNY連銀指数がプラスに切り返したことがやや異なる。一方で、フィラデルフィア連銀指数がマイナスに突入しており、ISM指数はNY連銀指数とフィラデルフィア連銀指数ではフィラデルフィア連銀指数との連動性が僅かに高い。少し読み難いが、景気にとってネガティブな数字が出る可能性が高いと考えている。


本邦景気に強気な理由

29日に発表される鉱工業生産指数に注目している。電子部品・デバイス工業の在庫-出荷循環で在庫調整が完了すると見ている。一方で、鉱工業生産指数全体が在庫調整に突入していることから、株価の上値が重くなると指摘している市場関係者も存在している(同じ会社にもいる)。日経平均株価指数は、IT産業の株価インパクトが大きいことを忘れているのではないか。それに、株価は景気回復を先取りする。電子部品・デバイス工業の陽転は将来の鉱工業生産指数全般に波及すると考えることもできる。

最注目は1日発表の6月日銀短観。同数字の予想がパラパラ出ているが、3月の数字よりも悪化するという予想が多いようだ。しかし、小生は最近の為替の円安をもっと好感してよいのではないかと考えている。輸出企業の為替採算レートが102台に対して、前回日銀短観の想定為替レートが104台であったことに対して、現在は108〜109台の円安となっている。実は現在の為替市場の動きは、昨年3月頃の状況に似ているように思う。昨年4月の日銀短観がどうであったか、さらに株価がどうなったかを思い出して欲しい。尚、来週発表の法人企業動向予測調査である程度方向性を絞ることができるだろう。


7月の外国人の株買はあるか

足許で“質への逃避”の動きを強めている外国人投資家が7月に株式市場に積極的になるか否かは重要である。この点については以下の2点で積極的になるのではないかと考えている。

1. 6月半期決算を終え、気を取り直して新規に買い直す
2. 6月株主総会でM&A対策が確認でき、M&A効果での株価上昇ターゲットを計算できるようになるため、慎重姿勢を撤回される

但し、外国人の動向は景気指標や他の市場とのバランスで一概には言えない。その他の要因を加味して慎重に判断されるべきものであろう。


以上を踏まえ、「難しいネ」と言ったことに対するディーラー氏のコメントは「俺は買で攻める」だった。納得できる理由はないが、ディーラーたるもの決定的に売る理由がない場合、上値を試すことが必要ということらしい。上昇或いは下落に確実性が持てるような材料があれば、また教えることを約束して話は終わった。


当該記載を開始して、もう直ぐ1年です。最近は平日については毎日3桁の閲覧が続いており、確実に読者は増えているようです。最近は相場が良く見えていることも影響しているのでしょう。『会員制にしてお金を取っていいんじゃないの?』と言われました。情報を得るためには対価が必要で、小生はその対価を払って情報を得ている訳だからそれをシェアしても良いように思います。そう言えば、似たようなことを『鋼の錬金術師』で見た覚えがあります。少し考えてみようと思います(直ぐには実行しませんが)。ちなみに、ディーラー氏は小生に定期的にご馳走してくれます。

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GDP・鉱工業の下方修正を怖れるなかれ!

13日発表の1-3月GDP2次速報値及び4月鉱工業生産指数確報は何れも下方修正となった。GDPは前期比年率+4.9%(1次速報値+5.3%)、鉱工業生産指数は前月比+1.9%(速報+2.2%)。この結果を恐れる必要はない。それはこれらが過去の数字であるからではない。着目すべき点があるからだ。


GDPについては、下方修正の主因がGDPデフレーターのマイナス幅の縮小と民間在庫寄与度の低下であることが好感できる。デフレーターは前年同期比▲1.2%から▲1.0%に縮小し、この分全体の成長率を低下させており、在庫の寄与度の低下は在庫の減少を意味する為、将来のプラスを明示するからである。加えて、民間設備投資は上方修正されているため、波及効果が期待できるという点も評価できる。


一方、鉱工業生産指数においては、同時に発表された製造工業稼働率指数が106.2(前月101.8)と現行基準の最高水準(1月104.8)を更新したことが好感できる。4月に工場の製造能力を下方修正させるところが多いため、かさ上げされている面があるが、稼働率の上昇は将来的な設備投資の必要性を増大させるため、前向きな材料として評価できる。


しかし、意に反して13日の株式市場は日経平均株価指数において2日の戻り高値目前で失速してしまった。それだけ上値のシコリが大きいということであろうが、状況が徐々に好転している手応えを感ずる内容であった。


本日は週初である為、簡単なメモ書きに止めさせて頂きました。週末まで勿体付ける程深みのある内容でもないので、ご参考となれば幸甚です。尚、小生のサイトから多数の方がビル・グロスの本をご購入頂いたようで誠にありがとう御座います。この場で御礼させて頂きます。

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Gスパンの謎、ドル高の謎

前回の記事、日本を例に世界的な期待インフレ率の低下を記載した。期待インフレ率の低下は、世界的な長短金利差の縮小に作用する。2月にグリーンスパンFRB議長が米国の長短金利差縮小について”謎”と評したことは既に周知のことであろう。最近、この謎に加えて、足許でドル高になっていることを”謎”と評されている。残念ながら小生は消化できているとは言い難いが、これらについて記載してみる。


1980年代後半の日本の状況に似ている米国

小題の通り、米国は1980年代後半の状況と似ていると考えている。米国で発生している住宅バブルは、日本で発生したそれとは規模等の面でやや異なるが、当該情勢が将来のインフレを危惧させ、一方で足許のインフレ(コア・インフレ)が深刻化していないことが似ている。米国が金融引き締めに動いたタイミングは、当時の日本よりも早いものの、金融引き締めに転じた後も株価が上昇していること、長期金利の上昇が鈍いこと(当時の日本は財政の健全化で国債の物不足であったため、背景がやや異なる)は似ている。現状の米国で発生していることは1980年代の日本との比較で浮き彫りになると考えている。

1980年代の日本は貿易黒字が問題(現在も何ら変わっていないが)となっていた。これに対して現在の米国は双子の赤字が問題となっている。経済学的に言えば、1980年代の日本においては貯蓄超過・投資過小が問題で、現在の米国においては貯蓄過小・投資減少が問題となっていると言える。貯蓄を増加させるためには実質金利を上昇させ、投資を増加させるためには実質金利を低下させることが基本と言える。これに基づき、1980年代の日本は低金利を持続させ、足許の米国は金融引き締めに転じているということであろう。


経済国境の消滅の影響

ベルリンの壁の崩壊に始まり、最近では中国の市場開放と、政治的には別として経済の国境は消滅しつつある。このため、各国の経済政策は、当該国の意図に反し効果を与えなくなって来ているのではないか。米国の実質金利上昇で米国内の貯蓄を増加させるには至らず、海外の貯蓄超過をより引き付ける状況になっていると考えている。このため、米国政策金利の上昇が米国長期金利の上昇に結び付かないというグリースパンFRB議長の謎が発生する主因ではないか。

米国は貿易赤字が拡大しているにも拘らず現在、ドルに振れている。ユーロに憲法批准の否認問題があり、日本には北朝鮮の核問題があることも大きな理由であろうが、経済原理に反する状況となっている。これを最近では”ドル高の謎”と呼ぶらしい。このドル高の謎についても前述の通り、米国の実質金利上昇が米国への貯蓄流入を促しているとするならば説明が付くことになる。


グリースパンの謎とドル高の謎の持続性

この2つの謎におけるそれらしい理由を前述したが、この持続性には甚だ疑問を感じている。経済原理に反する状況が持続することはないからである。但し、グリーンスパンの謎については持続する可能性があると考えている。1980年代の日本が財政黒字でこれを減少させることで貿易黒字をバランス化させることを目指していた。米国では逆に財政赤字を減少させることで貿易赤字をバランス化を目指している。貯蓄超過にすることは重要であるが、そのために金利を野放図に上昇させ、景気を減速させることになれば、財政赤字を現象させることは困難となる。このことは1990年代の日本における失政でも明らかになっていることである。米国が既に景気減速に至っているか否かは定かではないが、そろそろ景気に配慮すべき状況に至っている可能性があるためである。

この結論は取り合えず6月30日のFOMCを待つこととしている。


今回の記載は自分でも纏まっているとはいい難く、説得力に欠けるものでしょう。ただ、今の状況はそれだけ説明に窮するものであり、それだけに広く柔軟的な思考が重要と考えています。その一助になったとすれば幸甚と存じます。

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期待インフレ率、急低下をご存知か?

タイトル文は日本においての話である。勿論、米国にも当て嵌まることではあるが、今世界で起こっている事実を知って欲しいと考え、問題提起をここに行う。以前、『資産のインフレ・ヘッジは必要か?』という記事を記載した。その続篇と認識して頂ければ良いだろう。


7日の物価連動国債入札での出来事

それは今週実施された10年物価連動国債入札での出来事である。前週まで物価連動国債のB.E.I.(Break Even Inflationの略、市場の期待インフレ率と解して貰えば良い)は、0.8%近辺であった。入札当日、若干下落したが、予想落札B.E.I.は0.74%程度であった。所が落札結果は、0.66%と一日で0.15%近く下落したことになる。

10年の期待インフレ率が0.66%というのは現状のインフレ率(物価上昇率)がマイナスである現状を考慮すると充分に高いように思われるかもしれない。しかし、この10年の期待インフレ率は消費税の引き上げを含んでいる(消費者物価指数は税込み価格から計算されるため)。一般的に消費税は10%までつまり+5%引上げられるため、概算で計算すると、5÷10=0.5%となる。前述の10年期待インフレ率で消費税の影響を除くと、0.16%ということになる。入札前0.3%から入札後に突然0.16%になったとすると何かがあったに違いない。この点について分析されているものは残念ながらほとんどなかった。


物価連動国債個別の要因

物価連動国債は需要に対して供給が少なかった。過去3回しか発行されていないこともあり、やや割高(期待インフレ率が高め)で取引されていた。前回から一回当たりの発行額が5000億円(従前3000億円)に増額され、また投資家の珍しいもの買の需要に一循環が出たため、割高が修正された可能性が高いだろう。但し、今回から物価連動国債は外国人投資家や事業法人にも門戸が開放(個人は購入できない)されており、そういう意味では供給先は広がっているが、思ったほど需要が伸びなかったというのは財務省にとってもショックであっただろう。財務省はデフレ払拭へのハードルの高さを痛感していることであろう。


その他の要因

前述でほとんどが説明付くと思うが、突然それが顕在化した理由が不充分であろう。それについては、
① 日銀が当座預金残高下振れ容認等、早期量的緩和解除に意欲を燃やしていること
② マネーサプライM2+CDの数字が前年同月比+1.5%と一年半ぶりの低水準となったこと
の2点を挙げておきたい。
①については、ゼロ金利解除(2000年8月)での失敗が記憶に新しい。②は単月であるので大騒ぎすることもあるまいが、そのような水準が続いた場合、デフレ払拭へのハードルの高さを痛感した財務省がどのような行動に出るかは容易に想像が付く所であろう。

再度問いたい。それでもインフレ・ヘッジは必要か?


まだ平日なので、短いですがこの辺でご勘弁。

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タイトルらしく、偶には日本経済について

気が付けば、米国のことを書くのは何時ものこと。これはいかんと、今回は日本経済について纏めてみることとする。


当座預金残高の目標比下振れと量的緩和解除

福井日銀総裁や水野温氏日銀審議委員が量的緩和解除に対して前向きな発言を行っているためか、先行きの長期金利上昇を予想している向きが多い。少し前に記載したように、長期金利が上昇して欲しいと願っている債券ストラテジスト等はこのネタに飛びついている。しかし、小生は当座預金残高目標減少=長期金利上昇という短絡的なロジックに違和感を感じている。まず、この点を論じたいと考えている。

日銀が最近、当座預金残高を減少させるためのロジックとして用いられているのは、"市場性の回復"である。短期金融市場は日銀が大量に資金を供給しているため、資金の捕り手は常に楽であり、資金の出し手は常に運用に苦しむ構図となっている。無担保コール翌日物が通常の0.001%から0.002%に拡大したとしても、これが0.003%に拡大リスクを考慮して積極的に資金を取る捕り手は皆無で、逆に0.001%で資金を調達できる期待感から0.002%での資金の出し手(運用)の方に殺到する。結果として、短期金利は0.001%から全く動かないという構図になる。この状況が続くと、皆が必要最低限の資金調達及び資金運用しか行わず、市場が縮小均衡して行くということが発生する。これを日銀は問題としており、当座預金残高を減少させようとしているのである。

当座預金残高を下振れさせることで、硬直していた金利の動きを柔軟にすることを目指しているわけで、つまり、金利の変動を大きくすることにある。現在、短期金利は0%に限りなく近い水準に低下しているため、金利変動を大きくすること=金利上昇ということになる。但し、これは短期金利についてであって、金利低下余地のある長期金利には当て嵌まらない。長期金利において金利変動を大きくすることとは、金利上昇リスクを増大させる裏側で金利低下リスクも同時に増大させている。低下余地が限定的であるため、期待値としては金利上昇の方へベットすべきではあろうが、上昇・低下の確率は同じである。

当座預金残高伸した振れのみを理由に、長期金利が上昇するならばその時は逆に債券の買い場と考えることの方が妥当。日銀が将来、量的緩和解除を目指していることは間違いないが、だから金利上昇するということではなく、日銀が量的緩和解除を目指すことができる経済情勢になると予想されて始めて金利上昇に至るということを認識しておきたいものだ。


鉱工業生産指数について

5月30日発表の鉱工業生産指数は前月比+2.2%(予想+2.0%)と予想よりも強い数字であったが、同時に発表となった製造工業予測指数において5月の数字が前月比▲2.3%(前月調査時点▲1.4%)と前月調査時点予測比下振れしたことの方を材料視し、全体としては景況感の回復が後ずれしたとの評価の方が強かった。

小生はどちらかと言うと、以下の理由で景況感の回復が早まる可能性が出てきたと真逆の評価をしている。

出荷指数が現行基準となった1998年1月以降の最高水準となったことを評価している。自動車の出荷が延びたことやPCのモドル・チェンジ等の特殊要因があったため、翌月以降に一旦反動が出る可能性もあるが、トレンドとして出荷が延びていることを示唆している。在庫指数が低水準であることを考慮すると何れ生産指数を上昇させると考えている。

電子部品デバイス工業の在庫循環サイクルがシナリオ通り5~6月に陽転しそうである。しかし、一方で鉱工業生産指数全体の在庫循環サイクルが陰転したことを問題視する声が強い。しかし、小生は電子部品デバイス工業の陽転で流れが変わると見ている。日経平均株価指数は、銘柄入替を経てIT株の株価動向に大きく反応するようになった。この点から、IT株が切返し、結果、日経平均株価指数が上昇すると期待している。これは7月1日発表の日銀短観で現実のものとなるのではないかと予想している(ロジックはなく、所謂勘というやつ)。


失業率について

31日発表の失業率は4.4%(予想4.5%)に低下した。当該水準は1998年12月以来の低水準であり、量的緩和導入後の最低水準であり、その政策以前のゼロ金利政策導入後(ゼロ金利政策解除時期を含む)の最低水準となっている。雇用の回復は、景況感の回復の遅行指数ではあるものの、消費者物価指数の上昇には欠かせないものと考えている。この点を踏まえて、量的緩和解除が早まったとの論は小生は言い過ぎであると考えるが、失業率の低下傾向が続くと読めるならば、それを否定することはできないと考えている。


目先の材料としては、夏の賞与の支給額が増加の見通しとなっている。日経紙によると、DVD-Rや液晶・プラズマテレビの価格が下落しているため、これらの国内消費には弾みが付きそうだ。利幅の減少という問題はあるが、小生は前向きに捉えている。少なくとも7月に入るまでこの期待が崩れることはないだろう。


久しぶりにまともに日本経済について記載したような気がします。しかし、このサイトの閲覧者が日に日に増えている。先日、一日で三桁に乗せたので流石に驚きました。問題は、どの話題が受けているのか、判断に苦しむ所である。まあ、知っていることしか書けないので、狙って受ける程、話題は豊富ではないので、このまま自分のペースでやって行きますので今後ともよろしくお願い致します。

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米国5月雇用統計で総悲観になるのか?

米国5月の雇用統計において、ヘッド・ラインである非農業部門雇用者数は+7.8万人(予想+17.5万)と予想を大幅に下回った。この状況は4月に同数字が予想を10万人上回ったことと真反対の状況と言えるだろう。4月の数字が発表された後の5月の相場においては、雇用増から個人消費拡大により、インフレ懸念の持続と米国金融引き締めの持続を予想する向きが増えた。今回のこの数字を受け、恐らく5月に金利上昇を読んでいた人々は恐らく金融引き締めの打ち止めを予想するのであろう。これら所謂、"外れ屋"に乗って良いかどうかを中心に検証してみよう。


5月非農業部門雇用者数の下振れした訳

季節調整の罠として以前に記載していた通り、今年は本来4月にあるイースター休暇が3月にずれ込んだ関係で非農業部門の雇用者数の3月の数字を押し下げ、4月の数字を押し上げた格好になっていたのであろう。4月が上振れした分、5月が下振れとなった面があるだろう。

前述だけでは説明が付かないと考えている。2日発表の新規失業保険請求権数が予想を上回る数字となり、雇用情勢の悪化を示したことについて、労働省の担当者はレイオフの影響を示していた。今後GM・フォードが減産することを考慮すると更なる悪化傾向があると考えられる。

下振れ要因でどちらが大きいかで今後、雇用環境が戻るのか、戻らないのかが左右される。小生は前者の季節調整の要因の方が現時点では大きいと考えている。更に、以前に記載したが、非農業部門雇用者数には家計調査の数字が存在する。詳しくは過去に記載した記事を参照。家計調査の非農業部門は、4月+57.6万人(事業所調査+27.4万人)、5月+42.5万人(事業所調査+7.8万人)と2ヶ月連続で事業所調査ベースを上回った。年初来においても、家計調査+132.1万人、事業所調査+89.8万人と大幅に家計調査ベースの方が雇用回復を示している。家計調査ベースが下振れする可能性もあるが、事業所調査ベースが上振れする可能性を否めないことも強気の材料である。

景気悪化傾向で雇用環境が悪化する可能性もなくはないが、少なくとも7月に発表される6月の数字においては雇用回復を示すと考えている。

目先の相場予想

とは言え、目先は雇用統計という大きな材料に引っ張られるだろう。6月30日のFOMCでの利上げ打ち止め期待が高まり、米株を金融相場的な相場上昇も期待できるが、上値が限定的であることは間違いなさそう。日経平均はチャート上で11600を目指す方向に陽転していただけに、水を差され少し残念である。
但し、米国雇用統計のみを理由として株式市場が大きく下押しするならば、基本は買からで良いのではないか。やはり、”外れ屋”には乗れないこれが結論。


流石に眠くなってきており、文章に切れがないと自分でも思います。雇用統計が余りに予想通りであったため、またこの指標の注目度が高いため、記載しましたが、当たり前の分析で余りご参考にはならないと思います。次回は日本の経済指標を踏まえ、記載しようと思います。しかし、サイトのヒット数は伸びていますが、反応が薄いのは気になります。最も会社でも無反応には慣れていますけど。

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米国ISM指数は50割れとはならなかったが

米国5月のISM製造業景況指数は、51.4と予想(52.0)を下回ったものの、景気の分かれ目である50は割り込まなかった。小生の予想が外れた格好となったが、米国長期金利は3.88%と更に0.1%程度下落。米国自動車販売が不振で、GMやフォードが減産を決めたことに加えて、ダラス連銀フィッシャー総裁が金融引き締めを野球に例え、現在8回まで経過したと述べ、6月末の利上げ打ち止めを連想させたことが大きく影響した模様。

これを受け、日本の長期金利も皆が下限としてきた1.2%を一時割り込んだ。引けにかけては当座預金残高が日銀の目標下限の30兆円を割り込んだことを囃し立てて、1.2%台に戻したが、低位安定が続きそうである。

債券ストラテジストは予想レンジを引き下げるか注目。


週央なのでこの辺で。また週末に更新!

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