« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »

8月の貿易統計の結果は

9月22日発表の8月貿易統計の結果は、8月鉱工業生産指数(31日発表予定)を占うことができることはこちらで何度も取り上げている。またかと思われる読者も多いことであろうが、取り立てて他に新たな材料もないため、ワンパターンでご勘弁願いたい。

8月の輸出数量指数は、前年同月比+1.8%(前月▲0.8%)と2ヶ月ぶりにプラスになった。地域別で見ると、対米国の輸出数量が同+3.5%(前月▲1.0%)及び対アジアの輸出数量が同+0.8%(前月▲4.5%)がプラスに転じており、今後については対米及び対アジアの輸出数量が伸びを維持できるかどうかが注目となる。

肝心の8月鉱工業生産指数は予想が前月比+1.9%と2ヶ月振りのプラスとなっており、輸出数量から見る限り、予想から大きく外れる結果にはならないだろう。尚、製造工業予測数量の8月の数字が+2.3%であったことより、予想通りであれば予測比下振れすることとなり、横ばい傾向が持続することとなり、余り好材料とはならなさそうだ。

但し、8月貿易統計の詳細において、半導体等電子部品の輸出金額が前年同月比+3.9%と大幅に伸びた。鉱工業生産指数の電子部品デバイス工業の在庫調整で出荷が伸びていると推定できるため、陽転に至っている可能性が出てきた。この点から株価が好反応を示す可能性があるが、既存の株価上昇により織り込まれているだろう。もし、この材料で株価上昇した場合には売を推奨する。

FOMCは金利上昇持続を示した。次の注目は日銀短観である。依然として、このタイミングでは売を考えている。

短いですが、ご容赦を。期末で忙しく、また体調不良でありますため。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

衆院選後に日経平均1万3千円に肉薄

衆議院選挙で与党が同院議席数の3分の2以上を占めるという歴史的な大勝となったことを好感し、日経平均株価指数は16日に1万2,992.99まで上昇した。1万3千円に今一歩という水準は市場関係者の多くが上値目処と考えている水準ではなかろうか。これ以上の株価があるか否かを占うべく、以下を記載する。

政治的には好感

衆議院選挙前に記載した通り、自民党が勝利することが株価を押し上げた。与党の議席数が3分の2を占めたことで、選挙後に危惧された参院での再度の郵政法案否決リスクがなくなった(参院で否決されても衆院で3分の2を占めれば可決できるため)ことが短期的には大きな材料である。しかし、それ以上に大きいのは『自民党を中心とする改革の推進』に国民のお墨付きが与えられたことがある。郵政民営化に端を発する改革の推進に対する期待感が高まっており、これが長期的には株価を押し上げる推進力となり得る。

但し、19日日経紙朝刊に『定率減税2007年全廃』等と、改革の矛先が行政改革から財政改革へと舵が切られる危険性が出てきている。この点については、小泉首相の所信表明演説を待つこととなる。今までは政治が株価押し上げ材料であったが、これが撤回される可能性が出てきたことには注意を払いたい。

米国情勢

実は最も読み難いのは米国情勢である。ハリケーンの影響で、米国の景況感は悪化に至っている。更に、同影響が原油価格を押し上げ、インフレ懸念が燻っているため、本来は金融引き締めを停止しても良い状況にも関わらず、それが出来ないジレンマに陥っている。

9月20日のFOMCを見てみなければ判らないが、今の所は利上げ継続の方向が強そうだ。その証左として、米国長期金利が8月に一時4%近辺に低下後、先週末には4.3%近くまで上昇している。最もこの金利上昇は8月に先物をショート・スクイーズするために9月限月の最割安銘柄をある投資家が大量保有していたことの反動であり、当該保有者に対して財務省が質問を投げかけていることが判明しているとの影響もあるため、一概にインフレ懸念を危惧してとのことだけではなさそうである。

米国が景況感悪化懸念があるにも関わらず、利上げを行い、利上げが継続されるとすると、米国株式市場は大きなリスクを孕んでいる。リスク回避的に米国株式市場の資金が日本に流れるということも考えられなくはないが、米国株式のピークアウトにやや遅れて日本株式がピークアウトするということを危惧することの方が大きいと思う。20日のFOMCではこの点を明確に見たいと思っている。

本邦景気について

前回記載したように本邦景気は踊り場を脱出していない。上期の収益状態は良好であり、在庫は低水準であることから先行きに対する期待感は持って良いとは思うが、確信は持てない。一方、米国の先行きの不安感があることに加え、現状の株価が景気回復を相当部分先行していることを考慮すると、この点での株式の買い余地は余りないように思う。ファンダメンタルズと株価のギャップについては、10月3日の日銀短観で確認できることになるのではないか。

結論

1万3千円という水準を越えて株価の上昇余地はそれ程大きいとは考えていない。FOMC或いは日銀短観でレベル感を確認できた場合には一旦、利食い売をして良いのではないかと考えている。少し前に9月下旬から10月上旬に外国人投資家が売に転ずるのではないかという予想を記載したが、これに合致するシナリオになっているのは決して偶然ではないと考えている。

随分、ご無沙汰になってしまいました。先週或いは今週と風邪のため休みは一日中寝ていたため、こちらをとても更新するには至りませんでした。不思議なことに更新しない方がアクセス数が伸びておりました。きっと、更新を待って毎日アクセスして下さっている方が多いのだと思います。お待たせ致しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

踊り場の日本経済と上値追いの株価

前回の記載で予告したように日本経済が踊り場にある状況を記載しようと思います。一方、株価が年初来高値近辺にありこれについても分析を行おうと思う。

踊り場の日本経済

30日発表の7月労働力調査において、失業率は4.4%(予想・前月共に4.2%)と上昇した。中身を確認した所、非労働人口が失業者へ振り変わった面があり、経済情勢が悪化したというよりはその逆という見方の方が妥当である。しかし、6月の4.2%という水準が一時的な数字である可能性が出てきたことや、失業率の下落が一服したことで雇用者の報酬面へのプラス面が見込み難くなったこともあり、先行きの個人消費の堅調さを確信できないものとなった。

30日発表の7月勤労者世帯家計調査において、消費支出は前月比▲3.5%(予想+1.0%、前月▲1.4%)と3ヶ月連続のマイナスとなった。理由として、可処分所得の減少と考えている。可処分所得は前年同月比▲3.3%で消費支出が同▲3.3%と合致していたためである。ここの所の株価上昇傾向から消費支出が回復傾向を見込めるものの、9月には厚生年金保険料の引上げを控えており、加速度的な上昇は見込めないだろう。

以上の2つの指標から先行きの個人消費の上昇はそれ程大きくないと考えている。

31日発表の7月鉱工業生産指数は、前月比▲1.1%(予想▲0.5%)と前月(+1.6%)の反動もあり下落に転じた。足許の軟弱さに対して、同時に発表された製造工業予測調査において8月・9月共に前月比+2.3%と先行きは回復傾向を見せると示している。先行きが本当に回復することが確信できるならば、日銀や政府の踊り場脱却宣言通りとなるが、そうは思えない。製造工業予測調査の7月の実現率は▲0.5%であり、今後も下振れの可能性がある。しかも、9月の米国向けには大いなる不安が残るのは周知の通りである。予測通りには行かないだろう。

景気について、機械受注が好調であったように設備投資部門は好調が続くであろう。しかし、立ち直りの兆しを見せていた外需は米国経済という不安要因を抱えることとなり、けん引役を任せるにはどうだろうか。個人消費も前述の通り、一段の上昇は期待し難い。以上を踏まえると、踊り場に戻ったと見るべきではなかろうか。

上値追いを続ける株価

前述の通り、ファンダメンタルズ面からは株価が上昇するべき状況にはないが、株価は上値追いを続けている。円安局面の持続から企業業績が好調でこの分の株価上昇や、長期金利が低下した分、配当利回り等に対する期待収益圧力が減価した分の株価上昇があるものの、一番大きい要因は外国人買であると思われる。この点を簡単に記載した置く。

外国人買でも短期収益狙いと長期収益狙いに二分できると思われる。多くの場合、外国人の買を前者で語ることが多いが、2003年5月以降の買が持続していることから長期投資の資金も相当に入っていると思われる。勿論、短期収益狙いが皆無と言うつもりはないが、相場の上下のトレンドを担うのは長期投資家であることは言うまでもなく、この部分にヒントがあると思う。

外国人投資家が本邦株を購入する最大の理由は、“郵政民営化”にあるのではないかと考えている。民主党が郵政民営化を表明した以降、そのような動きが加速したように思われる。郵政民営化が株価を押し上げる理由は、民営化後の郵政会社(金融において)の進む方向にある。現状の金融機関において、預金業務と決済業務を行っても利益は挙がらない。預金を集めて運用するとしても厳しい環境下にある。このため、この郵政会社は、預金を集める業務から預金者に有価証券(国債や投資信託等)を売却する業務に注力することとなる。当然、この過程で現状の郵貯の優位性のある貯金制度は後退され、特に投資信託の販売努力に動くこととなる。これは少なからず、預金からリスク商品への資金シフトを意味し、これが株価を押し上げると見ている面がある。同様に団塊世代の退職でこの世代の退職金を運用資産にシフトされることも狙われており、これから数年に渡って株式市場に運用資金が流れてくる。

一方、株価が上昇すると、株式の供給圧力になると考えられるが、これについてはM&Aが歯止めになると考えている。余剰資金を抱えた企業は、設備投資を行わないならば配当や自社株買に動かざるを得ず、特に自社株買の行為により供給が絞られることが期待できる。

以上から、現状の外国人買は1年以上の長期投資が相当量入っていると考えている。その他にも幾つか理由はあるが、以上で充分と考え記載を差し控える。

前振りした割には大したことないなあ、と思われる内容でしょう。なかなか、相場の確信をつくようなシャープな論に行き当たることは難しく、ここの所はある意味スランプです。相場は皆さんが思っているよりも当たっているのですが、そのため自分の考えと相場にズレが生じておらず、クローズアップすべき問題点が発見できないことが要因かもしれません。現状の仕事は、相場が当たって悪いということはありませんが、やはり間違ってもシャープな論を出すことですので、ちょっとした悩みになっております。夏バテということでご容赦下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ファンダメンタルズから見れば、日本経済は踊り場の只中

多くの債券ストラテジストが既に語っているように、今週発表の経済指標(失業率、家計調査消費支出及び鉱工業生産)からは、踊り場脱却とは言い難い状況である。原油価格上昇やハリケーン被害状況から米国経済も怪しい状況になっている。

にも拘らず、本邦株式市場は堅調である。”もうは、まだなり”という状況と言える。但し、そろそろ一旦、売るべき位置が近づいていることは明示して置きたい。”利食い千人力”という言葉もあるので。

週央にワザワザ記載するような内容ではありませんでしたが、週末記載への前振りと考えて頂ければと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »