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日経紙『量的緩和出口の哲学』より

前週の小生の記載を読んだと言う訳ではなかろうが、表記の日経紙の記事(10月16日付3面)は量的緩和解除への前傾したものではなく、冷静に記載されていた。著作権の問題があるため、簡単に要点だけ記載すると、「政府は財政を引き締め、インフレの兆しも見えない。日銀は〜金利機能を殺してしまうなどの副作用を強調して解除を正当化している。問題となるのは副作用を取り除くことと改革加速のどっちを優先するのか」。小生も同感である。今回は、文中にしてきされている量的緩和解除の副作用について記載し、以後の考察の助けとしようと思う。

いつも通り、量的緩和解除の副作用を箇条書きすることから始める。

  • 銀行、企業において金利上昇に対するモラルハザードが発生する可能性
  • 政府において日銀が財政に配慮して長期金利安定に寄与するとのモラルハザードが発生する可能性
  • 量的緩和導入で長短金利差及び信用リスクによる利鞘が縮小しており、リスクに対する充分な利鞘が確保できていないならば、銀行業の新たな不良債権を生む可能性
  • 現状のベースマネーの拡大を放置して、一度インフレに傾くとその制御が不能になる可能性
  • 量的緩和解除を抜け出すことに時間がかかった場合、金融政策の正常化が極めて遠退く可能性

他にもあるだろうが、大体この辺が議論の肝となるだろう。

インフレの目が出てから引き締めをするのか、予防的に引き締めをするのかという所が最大ポイントであるが、政府も日銀もインフレの目(景気回復が確実となってからと言い換えるべきか)が出る前に動き、デフレを持続させてきた。その不信感に立てば日銀の早期量的緩和解除に対する反論がもっと出て良いと思っている。

尚、小生の考えは消費者物価指数が年率+0.5%を安定的に越えるのを待って、量的緩和解除とゼロ金利解除を同時に行うことが良いと考えている。量的緩和解除だけを行うことで次のゼロ金利解除のハードルが設定されることを防ぐためである。但し、同時に解除するため、多少、予防的な部分は犠牲にせざるを得ない。しかし、それすらもかつての反省にたって緩和措置を慎重に転換するということで良いのではないか。

ここ2回、株価の話はしませんでした。理由は小生は現状の株価は売との結論を出しており、その結果待ちの状況となっているためです。小生の予想と違う動きとして、米国雇用統計と機械受注が挙げられますが、やはり株は買という考えに転換すればそれらに触れることもあろうかと思います。

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量的緩和解除観測の高まりについて

最近、某日経新聞を読んでいると、日本の景気が踊り場を脱却したから、日銀は量的緩和解除すべしとの論調が強まっている。それはさて置き、小生が疑問を感じているのは量的緩和を解除するからと、本邦長期金利が上昇していることである。この辺を簡単に記載して置きたい。

日本の景気踊り場脱却?

今の日経新聞経済部は、政局を嗅ぎ付けた政治部のようだ。政治部は選挙が近づくと弾け、選挙を行うべきである論が幅を利かせる。丁度そのような状況にあるようだ。2001年3月から日本の金融政策がほとんど固定されて動いてこなかった。このため、各紙経済部は相当にフラストが溜まっていたことだろう。特に経済紙を自認する日経新聞経済部は、金融政策の変更が近づいたということで、金融政策変更を行うべき論が幅を利かせているのではないか。

非常に気になる点として、金融政策変更を行うべきではないという論が封殺されているように思う。久しぶりの変化の兆しに喜ぶ気持ちに水を差すつもりはないが、量的緩和解除を行うべきか否かの両論を併記した上で、論述して欲しいと思う。そうして貰えば、少しは役立つ新聞となることだろう。

量的緩和解除論での長期金利上昇の不思議

量的緩和解除は金融引き締めであるから長期金利が上昇する、と多くの人は考えているのかもしれない。しかし、現状においてそれは正しいとは思えない。今、量的緩和解除を行う理由は、インフレに対する予防的な措置であり、将来の長期金利上昇を回避するためということが大儀であるはずである。しかし、この意に反して長期金利が上昇しており、違和感を感じている。

財政赤字が巨額の中で、長期金利が上昇することは利払い負担を増大させ、財政赤字の問題解決を困難にする。税収の劇的な改善なくして、長期金利の大幅上昇は容認できないはずである。日銀が余りに長期金利上昇を煽り過ぎると、そのことが量的緩和解除の障害となる可能性も出てくる。

中央銀行の金融政策変更を小生は”風林火山”に例える。と言っても、武田信玄のそれとは若干異なり、金融政策変更を行う場合は”風林”であり、金融政策変更を行わない場合は”火山”と考えている。具体的には、風のように速く金融政策変更を行い、その直前においてのアナウンスは静かなること林の如しであり、直前において火の如くアナウンスを行う場合に金融政策は動かざること山の如しという所。金融政策変更に多弁な現在はむしろ金融政策変更へのハードルの高さを感じてのことではないだろうか。小生にはそのように思えてならない。

今回は極めて感覚的な話とさせて頂きました。小生の会社には誰も追いてこれない領域でした。論理展開はもう少し、市場が追いついてからにした方が良いと考えています。

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外国人の株売、鉱工業生産・日銀短観下振れ

久しぶりに記載するが、従前の記載に基づくシナリオが壊れていない。ということで、今回は纏め。

株の売材料を並べよう。

  • 9月22日週の外国人の株売
  • 8月鉱工業生産指数が予想比下振れ
  • 9月調査日銀短観も予想比下振れ

景況比株価は上振れしている展開となっている。上昇相場の源泉である外国人もここからは降り気味となる。上昇相場の末期であることは確かであるが、この時期は最も相場が(バブル的に)上昇する。ハイリスク・ハイリターンと言えば聞こえが良いが、些かロジックが通用しない世界なので、追随は避けたいと感ずる。尚、最大の株の売り材料は、日経新聞が景気拡大キャンペーンを張っていることにある。

一方、不公平なので、(投機的な)株の買い材料を占めそう。

  • 9月ISM製造業指数は予想比上振れで、ハリケーン被害が皆無であることが判明
  • 米国住宅価格或いは原油価格上昇が株価上昇を招く、バブル期特有の資産効果
  • 米国ハリケーンの復興需要
  • 米国金利上昇からのドル高持続で本邦輸出企業の業績回復
  • 電子部品デバイス工業の在庫循環終了

短期的には利食い、長期的には押し目待ちの買いというシナリオは不変である。

最近、体がきつくて、なかなか更新ができません。ところで、5月からの4ヶ月強でアクセス数が1万を越えました。まあ、検索に良くHITする言葉を使っていますから。

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