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足許の米国経済の情勢と今後について

久しぶりに経済情勢についての考察を行ってみようと思う。最近、日銀の量的緩和解除についてという偏った材料へ傾斜しておりましたので、ファンダメンタルズを点検することで、今後の相場動向を読む助けになればと考えたため。何時もながら、日本経済と銘打ちながら、米国経済を中心に語るものとしよう。

□ 北米半導体製造装置BBレシオ1倍超について

3月16日発表、2月北米半導体製造装置BBレシオは1.01(前月0.97)と19ヶ月振りに1を回復した。BBレシオが1を回復することは、半導体の受注額が出荷額を上回ったことを意味し、先行きの半導体需給が堅調であることを示唆する。半導体の需給関係が良好になることは、OA関係の設備投資が拡大することや、個人の情報機器購入意欲が高まっていることを暗示している。BBレシオは、小生が景気(世界経済)の先行指数として重視している指標である。

当該指標が1を越えたことについて、その先行きを問うた所、若手が「横ばい」と答えた。その理由は、今まで横ばいが持続しており、1を越えたのは一時的なものであるということであった。これに対して小生は、先行きに上昇する可能性が高いことを示した。それを以下に箇条書きする。

  1. BBレシオが1を越えていた19ヶ月前は、丁度シドニー五輪の只中で、その時の薄型TVやDVDレコーダーの需要の反動による在庫調整が終焉したことを意味する。また、本年はサッカーのワールドカップ開催を控えており、19ヶ月前と同様の需要が見込める
  2. 本年はWINDOWSの新ソフト(WINDOWS VISTA)の販売が予定されている。当該送付とはWINDOWS95以来の大型変更であり、WIMDOWS95以来10年が経過していることを考慮すると、個人及び法人のPC買い替え需要を刺激することは間違いなさそう。
  3. マクロ的にも、日米経済においては、設備投資が好調で、雇用改善を背景とする個人消費拡大が見込めるため、前述をサポートするであろう。

□ 好調な米国経済の中で出た利上げ打ち止め論

3月14日、米国調査会社メドレー・グローバル・アドバイザーズは、利上げ打ち止め論のレポートを発表した。REUTERSによると『FRBは労働市場やエネルギー価格によるインフレ圧力が安定してきている状況に満足している。その結果、3月下旬の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを実施した後、利上げを打ち切る可能性がある。あと1回の0.25%の利上げで、FF金利は4.75%となり、これで打ち止めとなることが予想される。3月以降、また4.75%以上の動向について、FOMCは何ら決定はしていないが、大半のFOMCのメンバーが、全般的な見通しや経済予想と一致する4.75%もしくは5%が現況に即しているとみている』

米国経済への減速感がない中で、同レポート発表前にはFOMCで3回以上利上げが継続すると予想する人間が過半数程度存在したが、同レポートで考え方を変えてきている人間が出始めているを考えられる。その理由を小生が推定してみた。

  • FRBが利上げを打ち止めする理由は景気が減速した或いはその可能性が高まったからではなく、実質金利(=FF金利誘導水準-コアPCEデフレーター)で見る限り、中立的な水準に近づいたと見ることができる
  • バブルの懸念があった(Gスパンはフロスと評した)住宅価格上昇を抑えることが可能な程、金利が上昇した。住宅価格を下落させるには一段の金利上昇が必要であるが、それは1990年代初頭の日銀の愚行と重なる。
  • 米国雇用環境の良好さはインフレ懸念を産むため、警戒が必要であるが、ハリケーン復興に関わる一時的なものであるため、無理に押さえ込もうとすると、リセッションのトリガーを引く可能性がある。
  • 米国の貿易赤字が拡大する中、実質金利を他国に比べて大幅に上方シフトすることは米ドルの増価を招くことで当該収支改善には役立たない。米国は資金を引き付ける必要はあるが、過大な実質金利は必要ないということであろう。
  • 仮に今回の打ち止めの判断が誤りであったとしても利上げを継続してきたことでコア物価指数のインフレは抑えられており、リカバリーが可能。

というようなことが理由であろう。尚、仮に小生がFRB議長であったならば、3月FOMCで利上げを見送る提案を行うだろう。それは金融政策が9・11以前の水準になる一方で、米国の財政状況が大幅に悪化していることへの配慮からである。現状の景気を持続させる必要があるため、景気減速のサインがでるまで利上げを持続するということはできないだろう。つまり、今後はインフレ懸念よりも景気減速への配慮を重点的に警戒すべきという論からである。

□ 結論

米国利上げ打ち止めが現実のものとなれば、本邦株式市場はこれを好感するだろう。

今回の記載は多分に想像力を逞しくしており、前提条件が変われば結論が自ずと変わる危険性が高いため、ご注意下さい。今後、適当にフォローして行くつもりですが、そろそろ景気減速との誘惑を断ち切ることは皆にとって難しい作業となるでしょう。

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量的緩和解除の纏め<記者に捧ぐシリーズ>

マスコミ各社の量的緩和解除の報道において、デフレ回帰の危険性を指摘し、日銀が早期に量的緩和解除に動いたことへの批判記事が多いように思われる。2000年8月にゼロ金利解除を行い、僅か半年程度後の2001年3月に量的緩和導入を迫られたことを例に、今回も同じ過ちを犯すことを指摘しているのであろう。小生は、日銀が量的緩和解除に動いたことに対しては理解を示している。その根幹は、量的緩和解除は金融緩和解除とはなっていないことである。この点について、人気?シリーズの記者に捧ぐシリーズとして記載する。

□ 消費者物価指数のプラス化の主因がエネルギー価格上昇であることについて

3月3日に発表された1月消費者物価指数(除く生鮮食品のコアベース)が前年同月比+0.5%とプラスに転化後、上昇幅を拡大しているが、この主因は原油価格に代表されるエネルギー価格の上昇であり、量的緩和解除が拙速であるとの意見(竹中総務大臣が近い意見であったと記憶)がある。米国FRBが重視するコア物価上昇率は、変動の大きい食品とエネルギー価格を除くPCE(個人消費支出)価格指数であり、エネルギー価格を考慮しないことが背景にあると思われる。

エネルギー価格が上昇することで、エネルギー関連の消費支出が増加する。この分だけ他の消費支出が圧迫されることとなり、特に最終消費財等の消費が減少する。この結果、最終消費財にとって、物価下落圧力に晒されるというものがこのロジックの背景にあると思われる。ちなみに、日銀はこの考え方に異を唱えている。それを小生なりに解説するならば、エネルギー価格上昇で圧迫される最終消費財への物価下落圧力は、エネルギー価格の上昇の影響分に限定されるべきで、エネルギー価格を含む総合の消費者物価指数にとってはニュートラルと考えることが妥当であろう。

但し、物価(特に消費者物価)には価格硬直性がある。このため、エネルギー価格の上昇が遅行的に最終消費財に影響を与えている可能性が高いとも考えられる。このため、現在の消費者物価指数のプラス乖離が剥落し、ゼロないしマイナスに回帰する可能性も否定できない。日銀は当然、この点を考慮しているが、実態よりも軽視している可能性がある。この点を踏まえ、次節に論を続ける。

□ 2006年度の物価下落要因

当サイトでかつて指摘したように、翌2006年度は物価下落要因が幾つかある。4月には、診療報酬の引き下げや電力料金の引き下げ、夏場には携帯番号ポータビリティのサービスによる携帯電話利用料金の下落、及び消費者物価指数の基準改定で消費者物価指数が下落する可能性が高い。しかし、日銀はこれについては余り深刻に捉えていないようだ。

診療報酬、電力料金及び携帯電話利用料金の引き下げ若しくは下落については、公共料金の引き下げであり、公共料金の引き下げ分は最終消費財の消費を押し上げる効果があることを考慮するとむしろ好ましいとの考え方を日銀は行っている。これについて小生は、前段のエネルギー価格上昇の議論と同様に中長期的に見ればニュートラルと考えられ、総合指数の変化で判断すれば良いということになる。

一方、消費者物価指数の基準改定は、これは現在の2000年基準を2005年基準に変更することで、消費者物価指数の上方バイアスが解除されることで、上昇率がマイナスに転ずるというものである。量的緩和解除事態は2000年基準により設定されたものであり、基準変更の影響での下落は考慮する必要がないというものと考えて良いだろう。本来、消費者物価指数が僅かにマイナスであったとしても、それは克服可能なデフレ圧力と考えて差し付けないが、この上方バイアスの存在で実態が僅かなマイナスに止まらないということが問題視されたものと考えている。基準改定により、大幅なマイナスに転じた場合には問題となるが、僅かなマイナスに止まった場合若しくはプラスの場合には”事態はデフレ解除に向かっている”と評することができるだろう。

□ 物価面における好影響を与える雇用情勢変化

日本経済において、将来の物価面に好影響を与える最も大きなものは雇用環境の改善であろう。1月の有効求人倍率(=求人数÷求職者数)が1.03倍とバブル期以来、求職者数よりも求人数が上回る状況になっている。この雇用環境の改善は完全失業率にも現れており、1月の数字4.5%は、量的緩和政策が導入された2001年3月の数字5.1%、及びゼロ金利政策が導入された1999年2月の数字4.7%の何れをも下回っている。つまり、雇用環境はゼロ金利政策導入以前の水準の戻っていることを示している。

経済学において、失業率と物価上昇率が反比例することは良く知られている。失業率が低下する場合には物価上昇率が上昇し、失業率の一段の低下はインフレ圧力となることを表しており、フィリップスが横軸に失業率と縦軸に物価上昇率で描いたグラフはフィリップス曲線と呼ばれて知られている。つまり、現在の失業率がゼロ金利政策導入以前の水準となっていることは、その時点におけるインフレ圧力に戻っている(デフレ圧力の減少と言うべきか)ということになる。

現在、雇用環境が改善している背景として、団塊世代の引退が控えていることがある。技術継承や世代交代のために、前倒しで各企業が雇用を拡大していることで、雇用環境が改善している。団塊世代の引退が今後、本格化することを考慮するならば、今後も雇用環境改善は持続するはずである。この点から、日銀は先行きの物価上昇率のプラス定着(デフレの完全解消)に自信を持っているのではないだろうか。

□ 資産インフレへの警戒

米国は2004年6月から金融引き締めを実行しており、政策金利のFF金利を累計で+3.5%(水準4.5%)引き上げた。この背景に日本がかつて経験したバブルへの警戒が含まれていることが良く知られている。株や不動産の上昇による資産インフレ(特に都心部の住宅価格上昇)が米国の個人消費を過熱化させており、バブル崩壊後の日本経済のようにならないように、住宅価格上昇の過熱化を抑えようと意図している面が強いと考えている。

日本においても最近、東京の中心地の土地価格が上昇に転じたことは良く知られている。当然、これはバブルを警戒するものではないが、最近、銀行の貸出が回復している背景に不動産関係融資の増加にある点もあり、健全な経済の発展のためには近い将来に資産インフレを警戒する金融引き締めを必要とすると考えている。

また、日本においても1990年代前半に続いて、2000年にITバブル崩壊を招いており、最近のDAYトレード・ブームでの株価上昇にバブル崩壊の不安がないと言い切るならば嘘であろう。日銀として、直ちにこれらに対処しなければならないものではないが、可能性の一つとしてこれらを考慮して、今から手を打って置く必要があると考えているに違いあるまい。

□ 今回の量的緩和解除に関する是非

結論を最初に言うならば、今回の量的緩和解除は先行きのインフレ懸念とデフレ回帰懸念を両睨みし、より機動的な金融政策を行う為の環境政策と考えている。従って、小生はこれを是と認めるものである。

1月消費者物価指数が前年同月比+0.5%になったことは何度も申し上げているが、12月の同+0.1%からの変化で言えば、実質金利のマイナス幅が▲0.4%拡大し、▲0.5%になっている。このことは、金利がゼロに近い流動性の罠に陥っている状況でない平時においては、政策金利を▲0.4%変動(つまり利下げ)したことと同じである。経済情勢が明らかに最悪期を脱しているにも関わらず、以前よりも緩和を強化することを真っ向から否定する必要もないが、資産インフレの懸念を考慮すると放置することも憚られるのではなかろうか。

仮にであるが、今後、物価上昇率の上昇幅が順調に拡大し、前年同月比+1.0%以上に達した場合、日銀はインフレ対処を行わなければならなくなるだろう。その場合、当座預金残高を縮小させつつ、政策金利上昇を同時に行うことに迫られる。この場合、金融政策が一気に変更されるため、その混乱は今回の比ではないことは容易に想像できる。この混乱を軽微に抑えるために、事前に当座預金残高の問題を解決しておこうと考えることはある意味当然ではないだろうか。

一方、物価上昇率が再びマイナスに回帰する場合についても論じよう。物価上昇率がプラスにある場合、それがプラス分だけ政策金利が引き下げられた効果があるため、量的緩和が軽減されても金融が引き締めされたとは捉えられず、緩和政策の枠組みが変更されただけというのは冒頭に記載した通りである。しかし、実質金利マイナスの緩和効果があっても、急に情勢が変化し、物価上昇率が再びマイナスに陥る可能性もゼロではない。その場合においても、?@『再び当座預金残高拡大による量的緩和政策を導入する』、?A『ゼロ金利解除へのコミットメントを明確化し、時間軸効果を働かせる』という対処療法が存在する(その場合には?Aを選択されると思うが)。

これらの点を踏まえ、日銀の用意周到さから今回の量的解除による不安を小生は感じない。唯一問題とするならば、ゼロ金利解除の条件を明確に示さなかったことであろう。これについては、政府・自民党の日銀金融政策への干渉が悪影響を与えたと考えている。昨年11月のこれらの要人の発言がなければ、日銀はこの3月ではなく、2月に量的緩和解除を行うことが出来たと考えている。今回においては、この1ヶ月の遅延は致命的なものとはならないが、ゼロ金利解除へのタイミングは、量的緩和解除と異なり、ナーバスのものになるというのは容易に想像できる。その場合に政府・自民党から不毛な横槍が入らないように、また、どのような形でゼロ金利解除に至ることが理想的を研究するための時間を確保するために、明示されなかったのではないだろうか。直ぐにゼロ金利解除されることは考え難いため、むしろこれが明らかにされた段階でゼロ金利解除を警戒しなければならないということではないだろうか。

日銀の量的緩和解除導入と共に、当サイトのアクセス数は過去水準を下回る状況に戻りました。投資家の皆さんにとって、日銀の量的緩和解除という材料は喉元を過ぎた熱さというものなのでしょう。小生も他にも目を配るべきと考えますので、今回の記載で、日銀の金融政策についての記載を暫く停止しようかなと思います。自分の中では既にロジック構築されているもので、何ら新しい発見がないものですので、趣味として行うには余り面白いものではない為です。読者の皆様におかれましたは、日銀の金融政策以外についての小生の記事を読んだ頂ければ、それを深堀りできると思います。以後も宜しくお願い致します。

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量的緩和解除、前夜!

来週3月8日(水)・9日(木)の日銀政策委員会・金融政策決定会合で、量的緩和政策が解除されるとの見通しが高まって来ている。当サイトにて最も検索されている用語である"量的緩和"であることもあり、この点について再度、記載を行っておこう。最近は、量的緩和解除が近づいているためか、日に150件程度(通常は70件程度)の人が小生の量的緩和解除に関わる記載を目にしており、この点についてのお礼も兼ねている。

□ 今、量的緩和解除観測が高まっている理由

小生が改めて詳しく説明する必要もないと思われ、表題に関して以下に箇条書きを行う。

  1. 3月3日発表1月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比+0.5%と1998年3月(つまり量的緩和政策どころかゼロ金利政策導入される以前)以来の高い伸び率となったこと(事前予想中心が+0.4%で予想の上限であったとの指摘もあり)
  2. 2月26日に行われた与謝野経済・財政担当大臣の発言等、政府与党内に量的緩和解除を容認する姿勢が強まっており、昨年11月のように反対論の大合唱はない
  3. 量的緩和解除の3条件(詳しくはこちらを参照)を満たしたと言える。第1の条件は1月時点で3ヶ月連続前年同月比プラスとなったことで満たし、第2の条件は昨年10月の日銀展望により2006年度のプラス化が見通されていることで既に満たされている。第3の条件は明確化されていないので判断が付き難いと思われるが、小生は日経平均株価指数が量的緩和政策以前の水準に戻していること、目線として1万5千台越えとの水準感を持っていた。

これ以外にも考えられることがある。

  • 本来であれば、3月の5年国債入札は3月9日(木)に行われる所であるが、定例に反して3月10日(金)に繰延されている。財務省において、金曜日の入札はタブーになっていた。前回金曜日に行われたのは2001年9月実施の10年国債入札でこの時には応札額未達になった苦い経験があるためである。にも拘らず、スケジュールを変更したのは理由がある筈である。このスケジュールが発表されたのは昨年末のことであるが、この時から小生は3月量的緩和解除のシナリオが浮上した。
  • 緩和解除の3条件が満たされているにも拘らず、緩和解除を見送った場合、時間経過と共に益々、量的緩和解除が行い難くなる。更に、今後導入されると見込まれるゼロ金利政策を解除する場合のハードルを高める可能性が高く、後ズレさせる意味は余りない。
  • 当該日銀政策委員会・金融政策決定会合で量的緩和政策導入から丁度5年で同政策を解消することとなる。歴史的なデフレ政策はかつてから5年で政策転換を行っており、この例に従わず、5年以上に引き伸ばすことはインフレリスクを増大させる可能性が高まるのではないかと考えている。
  • ゼロ金利政策解除は2000年8月に行われたが、そごう問題がなければその前の7月に行われていたと言われている。今回においても同様とも言えるライブドア問題が発生しており、その点では配慮すべきとの声もあろうが、株価が下落方向と上昇方向の違いもあるが、影響は軽微であり、配慮する必要はないだろう。また、ゼロ金利解除の徹を踏まないためには、それと同様にしたくないというのが日銀の人間の心理と言うものであろう。

勿論、巷の半数程度の人は4月以降の金融政策変更を予想する声が多い。この背景は期末期に行うことは避けるであるとか、4月の展望レポートを示してから変更するというようなことが理由らしい。米国FOMCであるならば、このような配慮は有り得ないだろう。小生は、日本の金融市場がここまで虚弱だと思わないが、4月以降を予想している人々はそのように考えているのであろうか。所詮は、占い師のようにこれが外れたとしても責めを負わない人間の戯言ということだろう。(かく言う小生も似たようなものだが、もう少し真剣だ)

□ 政府関係者のコメント

以下斜体字箇所、読売新聞報道を引用

安倍官房長官は3日午前の閣議後の記者会見で、日銀による金融の量的緩和政策解除について「緩やかなデフレが継続しているとの認識に変わりはない。日銀も、デフレ脱却の重要性を十分認識し、経済の実態を十分見極め、適切なしっかりとした金融政策を取られると理解している」と述べ、日銀に慎重な対応を求めた。

これに関連し、政府筋は同日、「日銀は量的緩和の解除についてもっと慎重に考えてほしい。3月は早い。どうしてそんなに急ぐのか分からない」と指摘し、3月の解除は時期尚早との見方を示した。また、日銀が2000年に政府・与党の反対を押し切って、ゼロ金利政策を解除し、その後、景気が腰折れしたことに触れ、「あの時の光景と重なる感じがある」とも語った。

何故、政府関係者がこの時点でこのような発言をしているかについて解説しよう。今回の量的緩和解除がゼロ金利解除時と同様に過ちとなった時のために『あの時、政府は反対したとの履歴を作って置きたい』というヘッジ心理に他ならないだろう。彼らが本気であるならば、もっと強硬に言うであろうし、3月9日においてゼロ金利政策時と同様の異を唱えることをするだろう。但し、今回はゼロ金利政策時と同様に異を唱えることはしないと考えている。日銀は量的緩和解除については解除条件を明確に示しており、ゼロ金利政策時のように裁量を働かせた訳ではないことであることがその主たる理由。これ以外にももし、異を唱えて日銀が今回の量的緩和解除を見送った場合、インフレが過熱した責任を政府が負うことになり、その危険性を冒すとは思えないというのが従たる理由である。

記者はこの発言をした当事者に決定会合で異を唱えるか否か、あるいは将来にインフレが過熱する場合とのリスクにおいては依然としてデフレに回帰するリスクが高いと考えているかどうか、及びそのように考える理由を問いただすべきではないか。そのような市場視点に欠けていることが、金融当局者からの過保護を期待する虚弱な市場を生み出しているとは言えまいか。

特に調べることもなく、新たな指摘を行うことなく、思い付くままに記載したものであり、余り参考にはならなかったとは思います。以前から記載していることですが、我々にとっての最大の関心事は量的緩和解除が何時かではなく、量的緩和解除後の金融政策がどのようなものでそれが適切であるかどうかということです。そろそろ、量的緩和解除が何時かの質問に応えることも飽きてきており、新たな刺激が欲しいと感じているこの頃です。当該サイトで参考となったと感ずる方へ、偶にはコメントを記載するなり、トラックバックをして下さい。Hサイトの宣伝のそれらしか行われず、それを延々と削除しているだけは少し虚しいように思います。

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