« 最近の株高(日経平均1万4千円台)について | トップページ | 日経平均5千円への覚悟はあるか(個人投資家に捧ぐ) »

最近の株安(日経平均8千円台)について

前回『最近の株高(日経平均1万4千円台)について』を記載していますが、状況が大きく変わったこともあり現状の整理をしたいと思います。

□ 株安の要因について

まずは株安の要因を考えられるだけ列挙する。

  • 米国政府がリーマンブラザーズを見捨てた
  • サブプライム問題の米国から英国・欧州に波及
  • 世界的なクレジット・クランチ(貸し渋り)による資金不足
  • 過小資本を補う十分な資本調達不能
  • 市場の変動が拡大したことによるリスク許容度の縮小
  • 金融の混乱による実体経済への悪影響
  • 外国為替の円高(特にクロス円)

他に枝葉の要因があるかもしれないが、概ね上記の何れかに関連するものと思われる。何れの問題も従前から存在していたものであるが、一番目のリーマンブラザーズの破綻で一気に噴出したものである。

事態の深刻さは、
 ① 資金不足或いは資金調達コストの急上昇による負債(同時に資産)圧縮の必要
 ② 資本不足によるレバレッジ(資産/負債の比率)縮小の必要
 ③ 価格変動性が数倍となったことによるリスク資産圧縮の必要
の3つが複合する形で株式の売却を強く促している。このことは強力な外国人売として具現している。

一方、先行きの不安要素として、実体経済への波及がある。足許の円高もそれを強く促している。皮肉なことに円高も前述の資産圧縮の動きを受けてのことであり、今後も連鎖的に株安を促すことが懸念される。

□ 株安の払拭の可能性について

これらの事態を収拾すべく、欧米中央銀行は協調利下げを実施。例えば、日銀を利下げすれば事態の緩和となるであろうか、答えは否である。協調利下げ後も株価下落が止まらないことで自明であろうが、解説をする。

各国政策金利は象徴的な金利、つまりはかつての公定歩合と同様となっており、実態金利を反映していない状況となっている。貸出金利=政策金利+クレジットスプレッド、という式をイメージしてもらえば良いと思う。政策金利が0.5%低下したとしても、それはクレジットリスクの増大を示しているため、クレジットスプレッドが拡大する形になる。クレジットスプレッドの拡大を上回る低下ができれば良いが、大抵の場合、クレジットスプレッドの拡大を緩和するための金利低下に過ぎない。従って、金利低下を行っても発熱に対する解熱剤程度の意味しかないことをイメージすべきと考えている。

事態の収拾をするためには、公的な機関が株式を購入することが不可欠である。それは金融機関への資本注入という形を指す事が多い。しかし、ここにも問題がある。米国は法案を通す過程で一度否決していることで、公的資金の出し渋りがあり得ることを示しいている。更に、法案を通ったからといって、実際に資本注入するまでに時間がかかりそうなことも問題である。そして一番問題だと思っているのは、日本の金融庁が中小金融機関への資本注入法案を今年3月で失効させたことである。現在、復活&対象を地銀にまで広げる方向となっているが、リートと中堅生保の破綻が発生している。サブプライム問題が欧米にも波及している中、当該法案が通ることなく、選挙となれば株価が絶望的な水準まで下落する可能性があろう。

各国政府が効果的な政策を行う可能性がない訳ではないが、現時点では期待できない。小生が考える相場反発は”自律反発”である。現在、各金融機関がポジション整理をしており、これが一服すれば自ずと反発すると考えている。来年1月までには一旦、底を打つと考えているが、その後も実体経済の悪化が重しになることを肝に銘じたい。

□ 更なる株安懸念について

最も警戒すべきは、日本の金融機関の破綻である。ニューシティ・レジデンス投資法人や大和生命(やまとせいめい)は氷山の一角の可能性が高い。金融庁が数ヶ月前にサブプライム問題の日本の金融機関への波及はないとの発表を行っていたが、全くの虚偽であったことも今後、問題視される可能性もある。例えば、そこそこの規模の銀行が破綻した場合、…。くわばら、くわばら。

今の所、バブル後最安値を割り込んでいないが、これを割り込んだ場合、チャーチストは売を推奨するだろう。その場合、下値目処を失うことになる。本当のパニック売はその時に発生するかもしれない。くわばら、くわばら。

日経平均の数字がNYダウの数字を下回っている。このことは、『米国人が楽観的』か『日本人が悲観的』かということを示唆している。ちなみに、米国人はサブプライム問題に対する経験はないが、日本人は数年前の金融危機を経験している。どちらが正しいかは自明ではないか。くわばら、くわばら。

随分と間隔があいてしまいました。自分の株式保有資産をほとんど全て処分してしまったため、コメントすることを差し控えたとお考え頂ければと思います(保有されている方の胸中お察し申し上げます)。現在、リスク資産保有を検討しておりますが、前述の通り、来年1月まで待つつもりでおります。市場には買われ過ぎがあるように、売られ過ぎもある訳ですから。それに、ファンダメンタルズや金融政策で市場が動いている訳でない為、予想もし難いこともあります。

|

« 最近の株高(日経平均1万4千円台)について | トップページ | 日経平均5千円への覚悟はあるか(個人投資家に捧ぐ) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42635/42751625

この記事へのトラックバック一覧です: 最近の株安(日経平均8千円台)について:

» 各国政策金利一覧 − 2008年10月 [外国為替証拠金取引(FX)初心者必見情報!証券会社の比較と儲けの必勝方法]
各国政策金利一覧表 08年 米国 ユーロ圏 英国 豪州 スイス カナダ ニュージーランド 日本 10月   1.50 3.75 4.50 6.00 2.50 2.50 7.50 0.50 ...... [続きを読む]

受信: 10月 12, 2008 12:02 午前

» こんにちは [spice]
フレッシュハーブで健康な生活を!ピリッと辛いスパイスで刺激的な毎日を! おいしいカレー情報をご紹介致しております♪ [続きを読む]

受信: 10月 29, 2008 03:16 午後

« 最近の株高(日経平均1万4千円台)について | トップページ | 日経平均5千円への覚悟はあるか(個人投資家に捧ぐ) »