« 2008年5月 | トップページ | 2008年11月 »

日経平均は大底を付けたか(下落懸念を抱える方に捧ぐ)

「何時も弱気ばかり言いやがって、9千円台に反発したじゃないか!」との突っ込みを物ともせず、人気シリーズの弱気相場論を展開致します。一応、8千円台で5千円台への下落と1万1千円台への上昇を等しいと記載しており、6千円台と9千円台の両方がついたことは当たらずと言えども遠からずと考えています。さりとて、反発したという事実を受け止め分析した上で、小生の私見を記載致します。

□ 株価反発の分析

  1. 株式デリバティブによる演出
  2. 外国人投資家の株売一巡
  3. 本邦年金の月末買い
  4. イベント前のポジション(弱気)調整

小生が考える株価反発要因は上記の4点。順番に解説をしよう。

1.  株式デリバティブによる演出

株式デリバティブとは、日経連動債に対してそのキャッシュフローを作るための相手側の取引を指している。そのノックインレベルが8千円前後に大量にあったことは知られている。このことが大幅下落→急反発を演出したのである。

日経連動債の一例
① 日経平均が償還まで一度もノックイン価格(8千円)を付けなければ100円で償還
②ノックイン価格を付けると、日経平均を1万2千円(発行時の水準)で購入したこととなり、償還時の株価で金額が決まる
③ノックイン価格がついても、その後ノックアウト価格1万4千円がつけば100円で早期償還

上記の日経連動債のキャッシュフローを作るための相手側のポジションとは、日経連動債を空売りしているポジションをイメージしてもらえば良い。株価推移における相手側のデリバテッィブポジションに対するヘッジ売買以下の通り

1万2千円→8千円手前: 日経平均を買い下がる。購入額は8千円に近付けば急激に増えていく形。これは8千円がつけば1万2千円での売ポジションができることが背景にある。思い出して欲しい。日経平均が8千円に近付いてなかなか割り込まなかったのはこの特性が背景である。

8千円→それより下落の瞬間: 8千円がつけば1万2千円の売を持つため、一見買が増えるように思える。しかし、実際は8千円に近づく仮定でその売に対する買はほぼ満額購入しており、その後は1万4千円で1万2千円の買が発生するというポジションに対処するため、ヘッジの売が必要となる。8千円から7千円割れが加速度的に売が入ったのはその理由である。

前述のヘッジ売完了後: その後に下落が持続した場合、1万4千円から遠くなるため、早期償還の可能性が減り、その分前述のヘッジ売を買い戻す形となる。これが7千割れからの戻りを演出

このポジションのヘッジの今後は1万2千円~1万4千円で売が出てくるため、上値は重くなるそのことを想定すべきであろう。ちなみに、7千円割れをつける仮定で、日経連動債の残高の8割以上がノックインした模様である。このことを前提に今後の戦略を立てるべきであろう。

2. 外国人投資家の株売一巡

12月が外国人の決算であることは皆さんご存じの通り。このため、11月にヘッジファンドの解約期限があり、毎年秋口には外国人投資家の売が出ることは季節的要因として知られている。特に今年は、運用成績が低迷しており、解約必至のファンドが相当に多いと思われる。ファンドはこれに備えて、現金を用意する必要があり、このことが足許の相場低迷につながっていた。当然のことながら、下落予想が強い相場である程、売却を急ぐ傾向にあるのではないか。10月にして、現金が十分に用意されている可能性は相応に高いとみている。

ちなみに、海外のファンドは運用は円ではなく、米ドルベースである。日本株は下落していたが、円高が進行したため、米ドル建ではそれほど損失が出ている訳ではなかった。株売後、円売ドル買が入り、円ドルレートが90円から急反発するおまけもついた。

ドル転された資金は再び、円にそいて日本株に向かうであろうか?そう考えるならば、日経平均の上値追いも一興となろうが…。

3. 本邦年金の月末買い

年金の運用の特性として、株式運用比率を維持する。株価が半額になったとすると、他の資産の価格が変化がないとすると、保有と同程度のか株を購入し、比率を維持する必要がある。足許で、1万1千円台から7千円へと3割強の下落があったことからすれば、保有資産の2~3割の買い増しをする必要出ていた。実際、その準備として10月初旬から日本国債を売却し、株式購入資金を用意していた。この買出動が月末になるのには理由がある。月末をベースに報告をするため、購入後に下落して含み損を抱えたくないというのが一つ目の理由。もう一つの理由は月末のドレッシング(お化粧)。保有している株式の含み損を減少させるため、評価を上げるために買いを入れるということである。

月末を超えれば年金の買いはどうなるだろうか?また、相場が戻った場合、年金は買いではなく売に転ずるのではないか。以上を踏まえると上値を追えるか…。

4. イベント前のポジション(弱気)調整

心理的な要素として、11月4日の米国大統領選挙があると考えている。現状ではオバマ民主党候補が優勢であり、その期待感から経済や株価が好転する可能性がある。信任大統領が誕生するに当たり、一般教書演説(就任する1月下旬)まで相場が堅調となることは良くあることである。

以上を踏まえ、上がらないまでも下がらないという事態は十分に考えられる。各国の協調(11月15日の会議)で売りの反動が出る可能性もなくはない。このため、利益があるショートポジションを閉じる誘惑に勝てなかったのだろう。

米国が期待通り行けば株価の上値追いもあり得る。しかし、往々にして期待は裏切られることが多いのも事実。さて、どちらに賭けるべきであろうか。

最近、まめに更新しています。決して暇なわけではありませんが、記載できるネタが豊富な状況にあるためです。小生が記載したことは株を売買する方にとっては周知のことと思います。もし、これらを知らず、売買している方がいるとすれば、株価の値動きに一喜一憂し、相場に振り回されると思います。ご参考となれば幸いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

最近の円高(1ドル=90円台)について

10月以降の急激な円高をテーマに現状整理をしたいと思います。株安(過去3回株安がテーマ)にも影響がありますし、そもそも小生の職務はこの関連の方が強いのです。為替絡みで損失を被っている方も多いと思いますので、ご参考になればと思います。

□ リーマン発金融危機の影響

先月(2008年9月)にリーマンブラザースが破綻したことが全ての始まりであることは言うまでもない。これにより、世界の金融機関の資金繰りが急速に悪化。要するに、金が借りれなくなったため、資産・負債を整理(バランスシート調整)を行っていることに他ならない。更に、リーマンに代表される米国投資銀行は、財務レバレッジ(=負債/資本)を桁違いに高め来た(モルガンスタンレーは80倍の財務レバレッジであった)が、それに対する批判も強く、改めなければならない状況に追い込まれている。米国の金融機関に限らず、資金繰りが付かないということか、財務レバレッジの縮小ということは別にして、資産の投げ売りと負債の圧縮を行っている。

よく聞かれることであるが、『金融危機になると何故円高になるか』ということについて解説する。世界の金融機関は負債調達のため、低金利の円を借入していた。多くの場合、通貨スワップでドル借入に変更していたが、一部では通貨スワップを行わない、つまり為替リスクを追う形での円借り入れをしたいた。為替リスクを負う円借り入れを行っていた人間が負債を圧縮すると、円を買い戻すため円高になるということが判り易いだろう。実は、前述の多くの場合の通貨スワップでのドル借入の部分にも問題がある。専門的(不親切な説明をご容赦されたい)になるが、ベーシススワップ(簡単に言うと、円LIBORとドルLIBORの交換)が内包されており、これが無茶苦茶な市場となっている。3か月毎に変動金利である円LIBORとドルLIBORを交換するのであるため、概ねゼロ近傍で安定した取引であるが、金融の混乱でASK-BID(売-買)気配の差が10bp(0.1%)超となり、その変動も大きくなっている。これに耐えきれなくなっているため、この処分を行っているのである。このような方が円負債を返却するとことは、足許での円買と将来(当初の負債償還時)の円売を同時に行うこととなる(=足許のドル買と将来のドル売)。現在のベーシスにおいてこの反対売買を行うと、金融機関にとって利益になることもその動きを加速させている。ドルを借りてドルを円に転換すると同じ動きとなる。将来のドル買を同時に行わなければならないが、円の先高がみられる現状において…。

上記は米ドルにおいて記載したが、ユーロに対しても、英国ポンドに対しても、豪ドルに対しても、その他全ての通貨に対しても同様の状況下にあることが言える。全ての通貨に対して円高になることもあり得る話であろう。

□ 日本の政治の無能

この状況下で、日本政府は拡大財政を計画している。リチャード・クー氏がブレインなので致し方ないのかもしれないが、愚かとしか言いようがない。日本の財政で世界を支えられるはずがなく、発想としてはB29に竹やりで向かおうとしている時と同じに見え、滑稽である。後年、批判されること必至の愚策となるだろう。

さて、『何故、拡大財政が駄目か』について記載致したいと思う。多くの政治家は円高で輸出が駄目になり、外需に頼れないから内需でと考える。これが大間違いである。経済学をかじった人間ならば良く理解されていると思うが、拡大財政は短期的に自国通貨高つまりは円高を招く(=マンデル・フレミングモデルによる、尚、然る後に通貨の調整機能で円安に回帰)。円高の時に更に円高になる政策を取っているのである。少なくとも他国が同様の財政拡大を意図しているのでない限り、このような政策は採るべきではないと考える。

次に行おうとする政策として、為替介入=円売介入を画策するだろう(外貨投資をしている人は期待)。しかし、他国が日本の為替介入を認めるはずはない。金融不況の中、インフレが加速する恐れはなく、通貨安への懸念が少ない一方で自国通貨安で輸出ドライブをかけることができる。これらは日本が失われた10年で行ってきたことである。苦しい時に日本の介入を認めていたのだから、同様の状況の他国が自国通貨安に頼っても批判はできないのではないか。

介入を期待している方がいるのであれば、売却した方が賢明であろう。

□ 日本の金融危機は円安要因?

日本の金融危機は円の信頼の欠如と考え気味であるが、現状においては円安要因ではなく、円高要因である。日本の金融機関も対外通貨建での借入を行っており、その点からは円安要因が全くないとは言えないが、日本の金融機関が保有する対外通貨建て資産が圧倒的に多い。日本の金融機関が資産と負債の整理に迫られるとすれば、対外資産の売却、つまりは円高の要因となることは改めて解説する必要はないだろう。

資金繰りの悪化していない金融機関についても対外資産の圧縮を迫られている。為替レートのボラティリティ(価格変動率)の大幅上昇がその要因である。金融機関は、リスク管理をする場合、ボラティリティを基準にポジション枠が決められている。ポジション枠いっぱいのポジションで運用している時にボラティリティが2倍になった場合、ポジションを半分にしなければならない(つまり半分を売る必要に迫られる)。為替のボラティリティは現在、以前の3倍以上となっている。フルにポジションを持っていた訳ではないだろうが、為替差損が発生していることもあり、外貨資産を半分程度処分している金融機関は少なくないのではないか。

□ 株安も円高要因

株安の結果、信用買いを行っている個人は追証の差し入れを迫られている。以前であれば、保有している資産は円建債券が多かったため、これを代用有価証券として差し入れすれば良かった。しかし、低金利の影響で保有債券は外貨建債券や円建てでも仕組み債となっていることが多く、代用有価証券として担保差し入れが認められない。このため、追証差し入れのために外貨建て債券の売却を行うことを迫られている。

小生も知らなかったことであるが、米国債であっても信用取引としての担保に認められていない。従って、このような連鎖的な悪化を招くこととなっている。担保の時価管理(もちろん円建)は必要であろうが、担保として認めないというのはグローバル化されていない閉鎖的な金融市場と言えないだろうか。このようなことを放置している、官僚、政治家は無能と重ねて言いたい。

□ CITICパシフィック社問題

以下のReuters 記事(21日付抜粋)

中国の複合企業CITICパシフィック<0267.HK>は20日、レバレッジを効かせた外国為替取引で20億米ドル近くの損失を出す可能性があり、2008年の業績に影響する見込みだと警告した。

詳細は示されていないが、これが豪ドルやユーロの急落を招いたたの指摘がある。利益予想が60香港ドル(10億米ドル程度)であることから、30億米ドルの損失を発生させたと推定される。豪ドルやユーロは2割以上対ドルで減価していることから、それぞれの通貨で米ドル100億ドル分のオプションの売を行っていたのではないかとの噂が流れている。記者会見の時点でポジションが閉じられていなかった可能性もあり、相場を大混乱に陥らせたのではないか。恐らくこれは氷山の一角であり、場合によっては日本の企業でこのような損失を表面化させることもあり得ると恐怖している。

□ 今後の懸念材料

本日(10月26日)、サンデープロジェクトで前原民主党議員が農林中金への懸念へ言及していた(本論ではないため、深堀されず残念)。農林中金はサブプライムで問題となっている証券化商品を大量に保有している。外貨建債券も大量に保有している。日本国債は余り心配ないのであるが、その中でも15年変動利付国債を大量に保有していると言われている。資産内容が棄損していると考えることが妥当であろう。更には、農林中金には金融庁の検査が入っていないことも問題(前述で前原議員が発言)。そのような状況下で農林中金への資産注入を認める法案が通った(正確には系統金融機関の上部団体であるため農林中金のみではない)。同じ番組で与謝野大臣は金融安定化枠が10兆円程度必要であるとの指摘をしている。これらの状況を証拠を重ねて、不安を感じないと言い切れる人はいるであろうか。与謝野大臣には10兆円が必要であるとの論拠を明確に示してほしい。

そんなことは起きてほしくないが、日本の金融機関に直接的なサブプライム問題が波及した場合、株価は更に下がり、円高がさらに進行する懸念がある。

最大の懸念は、悪いことをキチンと国民に知らしめていないということである。

最近、文章を書く業務が減っているため、どうも纏める能力が欠如し、読み難い文章だと思います。時間をかけると、情報の価値が減ることもあり、不完全な形での提供をご容赦いただきたいと思います。皆様のお役に立てているとすれば幸甚です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日経平均バブル後最安値へ肉薄(株価は関係ないという方にも捧ぐ)

三週間連続で株安をテーマと致します。10月24日(金)のような急落相場を連想していなかった訳ではありませんが、発生が年末頃のイメージでしたので急激な変動に戸惑いを隠せません。日経平均の急落で安易な楽観論も封印されて行くことと思いますが、状況の悪化を確認して行くことと致します

□ 株を持たない人間に株安は関係ないか

小生も株をほとんど持っておりませんが、この株安は非常に困ったことと感じています。最も大きな問題は老後の生活費となる”年金”の問題です。年金は大きく分けて、①国が管理しているもの、②企業が管理しているもの、③個人が管理しているもの、の3つに分けられます。

①国が管理する年金

国民年金や厚生年金の基礎部分がこれに該当します。総資産に対する国内株式の比率は25%程度と思われます。つまり、保有している株式が4割下落すると、年金資産全体の1割が棄損したこととなります。昨年来から考えると、現状はそのような状況と言えます。もし、株価が上昇に転じなかった場合、年金保険料の引き上げと年金額(受取)の引き下げ及び税金を使った補填等、いずれも国民の負担が増加することなります。

②企業が管理する年金

業界団体が管理する場合もありますが、それも同じく企業の負担となります。但し、確定拠出型は個人管理のものとなりますので、この項目とはなりません。

企業の管理する年金(確定給付年金)においては、株式棄損分を補填することとなります。将来の給付金額を想定される利回りにより引きなおされた現在価値の額を保持する必要があります。企業が株式棄損分を補てんすることはつまり、企業の利益が減少することを意味します。その場合、自社株価の下落を容認できないため、社員の給料が引き下げる行為を行う経営者が多いと思います。端的にいえば収入が減ることになります。

③個人が管理する年金

保険による年金契約や確定拠出型年金がこれに該当します。株式で運用されている比率で影響の大小はあろうかと思いますが、多くの場合、国が管理する年金と同程度の比率の株式運用がされていることが多く、相応に損失を被っていると思われます。問題なのはこの損失で足許にどうこうすることがないことです。あくまでも将来の受取額の減少であり、問題の先送りをするからです。但し、少なからず将来の不安を覚えることとなると思います。

以上踏まえると、どう考えても個人消費が落ち込むことは必至と思われます。その結果、景気が後退し、更に株価が下落するという悪循環がこの先待ち受けていると感じます。

□ 泣きっ面に蜂、株安に円高

株安だけでも問題ですが、急激な円高が日本経済を落ち込ませます。先の年金については、外貨の株や債券を保有しているため、円高がすすむとその分資産を棄損させることとなります。それ以外にも問題は多いのですが、とりあえず、円高の進行度を下記のとおり記載いたします。

10月24日の円高値(カッコ内は9月末)

ドル円=90.82(106.32)

ユーロ円=113.64(149.79)

豪ドル円=54.96(84.08)

ポンド円=138.95(189.04)

ニュージーランドドル円=49.91(71.16)

ドル円の円高の幅も大きいが、他の通貨での円高の大きさが際立っています。輸出企業にとって問題なのはユーロ円の円高です。当該想定レートを150円程度に置いていたところが多く、2割以上の円高は収益を大幅に悪化させることは間違いありません。ソニーが減益の発表をしていますが、輸出企業の多くはこれから同様に収益の下方修正をすることになります。株価のPERが低いということで株式投資を進めていた方は、利益の低下でPERが上昇することになるということに注意すべき状況になろうかと思われます。

円高の影響は年金や輸出企業だけではありません。個人が投資している資産も目減りさせます。グローバルソブリンという巨大ファンドは約4割をユーロ建てで保有しており、日本円の比率(14%程度)分以外は大幅に損失を被っていることになります。また、豪ドル建債券を投資されている方は年初から見れば4割以上を棄損する状況となっています。

一方で輸入企業や電力、ガス会社は儲けているのですが、それは余り還元されていないようです。それは、これらの企業がすでに今期の外貨調達をある程度終了させているためです。内外金利差があるため、予め為替予約で3ヶ月後に外貨を購入する契約をすれば、足許のレートより円高の位置で外貨を購入できるため、積極的に為替予約を行っていました。来年度になれば少しは還元されるかもしれませんが、足許すぐには難しそうです。

円高で政府の資産も棄損しています。2003年頃に大量の円売ドル買介入をしていたたため、米国ドルを中心に大量の外貨を保有しています。為替の水準は100~105位ですので、1割以上のマイナスとなっています。これも間接的に国民の負担となることも付記しておきます。

円高自体も株価の下落要因であり、連鎖的に状況は悪化してゆく可能性は否めません。

□ 預金+日本国債(固定利付)運用が最も有利だった

皮肉なことに、あれこれ考えて運用していた人よりも、預金や日本国債による円の確定利回り運用が最も有利でした。状況が変化すればこの優位性は崩れますが、当面の間そのようなことはないと考えています。小生は年明けまで、株や外貨投資を手控えることを改めて強く認識しています。

今回は趣向を変えて、資産運用を行っていない人に向けての記載としてみました。最近、当該ブログの閲覧が増えているため、記載のペースを増やしました。これに懲りずに訪れてい頂ければ、記載の励みとなります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

日経平均5千円への覚悟はあるか(個人投資家に捧ぐ)

前週に引き続き株安テーマで記載することに致します。実はもう少し内容を盛り沢山で記載していたのですが、保存時に消えて書き直しを迫られたため、その点をご容赦ください。

□ 日経平均5千円への可能性

日経平均が8千円台の現在、購入に動く投資家の心理は、

  1. 前回の安値は割りこまないだろう(日本の金融はしっかりしている)
  2. 少し前の1万4千円台とは言わないまでも下落の半分程度の3千円程度の反発はありうるのではないか

といことではないだろうか。しかし、この考え方には問題がある。そもそも前回の安値を割り込む可能性はある。1万4千円台で現在の状況をイメージできなかったと同様にイメージしていない悪い材料が顕在化する可能性は常にある。一方、3千円程度の反発は確かにあり得るが、裏返しとして3千円程度の下落もあり得るのではないか。つまり、日経平均が5千円台に下落する可能性は相応に存在している。

そのようなことを言っていてはいつまでも購入できないと言われるかもしれない。それは小生もその通りだと思う。しかし、警鐘を鳴らしたいのは、米国を中心とする右肩上がりの相場が終焉した可能性が高く、右肩上がりの考え方を前提とする投資は危険であるということである。

□ NYダウが5000台に下落するとしたら

NYダウが5000台に下落するとしたら日経平均も5千円台に下落するのではないか。現在双方の数字はほぼ同じであり、日米の経済の連動性を考慮するとその結果は自明であるように思う。

ではNYダウが5000台に下落するかということについて検証したい。

  • NYダウに対してトレンドラインを引く
  • トレンドラインには米国名目GDP実額を使用
  • トレンドの起点は1990年1月

上記によると、米国名目GDP実額を使用して記載したトレンドによるとNYダウの居所は5000台となった。これが意味するものはグリーンスパン時代に蓄積された米国株によるバブル発生と破裂を意味している。(会社で作成したものなので、UPができないことを残念に思う。各自で確認されることを望む)

これを示した時にそんな馬鹿なということを言う方は居た。その様な人のために以下の検証をお勧めする。

  • 日経平均に対してトレンドラインを引く
  • トレンドラインには本邦名目GDP実額を使用
  • トレンドの起点は1980年1月

上記の作図において日経平均は名目GDP実額のトレンドラインを見事に下抜けしている(上記カッコ内に同じ)。

同様の分析を金融機関や当局及び経済専門家は行っているはずである。しかし、これらは表面化することはない。なぜならば自身(自分の会社)が売却する前にそのようなことを表明すれば、下落を待ってから買うという個人投資家が増えるためと推定している。

□ 更なるシナリオ

日本固有の株価下落シナリオとして、生保の破たんを危惧している。数年前に中堅生保が数社破たんした時、株価がどうなったかは記憶に新しい所と思われる。しかも小さいとはいえ、やまと生命が足許で破たんしている。これが特異な例とはどうしても思えない。現実問題として日経平均が前回の安値を下回った場合、この危惧が現実的な不安として押し寄せる可能性が相応に高いと考えている。

米国における株価下落シナリオとして、日本と同様のバランスシート調整の懸念がある。金融機関が過小資本に陥ると、負債の圧縮(同時に資産の圧縮)に迫られる。このことは貸し渋りにつながることは自明である。これに対して各企業が市場から資金調達できれば問題はないが、おそらく資金が不足することになる可能性が高いのではないか。そのことは日本がかつて経験したことから判る。金融破綻は経済の破綻につながり、株価が大きく下落するというのは日本が経験しているものである。今行っている政策は時間を稼ぐ(株価の下落にタイムラグを置く)効果はあるが、抜本的な解決策ではなく、オーバーシュート気味に売り込まれる局面を想定しておいた方が良いのではなかろうか。

最後に小生は、株式資産を保有していない(売却不能の端株を持っているのみ)し、業務上直接株式には関わっていない。しかし、傍から客観的な意見を述べていると評していただければ幸いと存ずる。

冒頭にも記載しましたが、保存段階で全部が消えてしまいました。小生の記載間隔が広がる大きな要因です。今回は立ち直り、記載致しましたが、2回連続で消えることもあり、何とかならないものかと思う今日このころです。皆様の投資が上手く行くことを祈り、昨年実績を超える記載を行いました(レベル低)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

最近の株安(日経平均8千円台)について

前回『最近の株高(日経平均1万4千円台)について』を記載していますが、状況が大きく変わったこともあり現状の整理をしたいと思います。

□ 株安の要因について

まずは株安の要因を考えられるだけ列挙する。

  • 米国政府がリーマンブラザーズを見捨てた
  • サブプライム問題の米国から英国・欧州に波及
  • 世界的なクレジット・クランチ(貸し渋り)による資金不足
  • 過小資本を補う十分な資本調達不能
  • 市場の変動が拡大したことによるリスク許容度の縮小
  • 金融の混乱による実体経済への悪影響
  • 外国為替の円高(特にクロス円)

他に枝葉の要因があるかもしれないが、概ね上記の何れかに関連するものと思われる。何れの問題も従前から存在していたものであるが、一番目のリーマンブラザーズの破綻で一気に噴出したものである。

事態の深刻さは、
 ① 資金不足或いは資金調達コストの急上昇による負債(同時に資産)圧縮の必要
 ② 資本不足によるレバレッジ(資産/負債の比率)縮小の必要
 ③ 価格変動性が数倍となったことによるリスク資産圧縮の必要
の3つが複合する形で株式の売却を強く促している。このことは強力な外国人売として具現している。

一方、先行きの不安要素として、実体経済への波及がある。足許の円高もそれを強く促している。皮肉なことに円高も前述の資産圧縮の動きを受けてのことであり、今後も連鎖的に株安を促すことが懸念される。

□ 株安の払拭の可能性について

これらの事態を収拾すべく、欧米中央銀行は協調利下げを実施。例えば、日銀を利下げすれば事態の緩和となるであろうか、答えは否である。協調利下げ後も株価下落が止まらないことで自明であろうが、解説をする。

各国政策金利は象徴的な金利、つまりはかつての公定歩合と同様となっており、実態金利を反映していない状況となっている。貸出金利=政策金利+クレジットスプレッド、という式をイメージしてもらえば良いと思う。政策金利が0.5%低下したとしても、それはクレジットリスクの増大を示しているため、クレジットスプレッドが拡大する形になる。クレジットスプレッドの拡大を上回る低下ができれば良いが、大抵の場合、クレジットスプレッドの拡大を緩和するための金利低下に過ぎない。従って、金利低下を行っても発熱に対する解熱剤程度の意味しかないことをイメージすべきと考えている。

事態の収拾をするためには、公的な機関が株式を購入することが不可欠である。それは金融機関への資本注入という形を指す事が多い。しかし、ここにも問題がある。米国は法案を通す過程で一度否決していることで、公的資金の出し渋りがあり得ることを示しいている。更に、法案を通ったからといって、実際に資本注入するまでに時間がかかりそうなことも問題である。そして一番問題だと思っているのは、日本の金融庁が中小金融機関への資本注入法案を今年3月で失効させたことである。現在、復活&対象を地銀にまで広げる方向となっているが、リートと中堅生保の破綻が発生している。サブプライム問題が欧米にも波及している中、当該法案が通ることなく、選挙となれば株価が絶望的な水準まで下落する可能性があろう。

各国政府が効果的な政策を行う可能性がない訳ではないが、現時点では期待できない。小生が考える相場反発は”自律反発”である。現在、各金融機関がポジション整理をしており、これが一服すれば自ずと反発すると考えている。来年1月までには一旦、底を打つと考えているが、その後も実体経済の悪化が重しになることを肝に銘じたい。

□ 更なる株安懸念について

最も警戒すべきは、日本の金融機関の破綻である。ニューシティ・レジデンス投資法人や大和生命(やまとせいめい)は氷山の一角の可能性が高い。金融庁が数ヶ月前にサブプライム問題の日本の金融機関への波及はないとの発表を行っていたが、全くの虚偽であったことも今後、問題視される可能性もある。例えば、そこそこの規模の銀行が破綻した場合、…。くわばら、くわばら。

今の所、バブル後最安値を割り込んでいないが、これを割り込んだ場合、チャーチストは売を推奨するだろう。その場合、下値目処を失うことになる。本当のパニック売はその時に発生するかもしれない。くわばら、くわばら。

日経平均の数字がNYダウの数字を下回っている。このことは、『米国人が楽観的』か『日本人が悲観的』かということを示唆している。ちなみに、米国人はサブプライム問題に対する経験はないが、日本人は数年前の金融危機を経験している。どちらが正しいかは自明ではないか。くわばら、くわばら。

随分と間隔があいてしまいました。自分の株式保有資産をほとんど全て処分してしまったため、コメントすることを差し控えたとお考え頂ければと思います(保有されている方の胸中お察し申し上げます)。現在、リスク資産保有を検討しておりますが、前述の通り、来年1月まで待つつもりでおります。市場には買われ過ぎがあるように、売られ過ぎもある訳ですから。それに、ファンダメンタルズや金融政策で市場が動いている訳でない為、予想もし難いこともあります。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2008年5月 | トップページ | 2008年11月 »