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日経平均は大底を付けたか(下落懸念を抱える方に捧ぐ)

「何時も弱気ばかり言いやがって、9千円台に反発したじゃないか!」との突っ込みを物ともせず、人気シリーズの弱気相場論を展開致します。一応、8千円台で5千円台への下落と1万1千円台への上昇を等しいと記載しており、6千円台と9千円台の両方がついたことは当たらずと言えども遠からずと考えています。さりとて、反発したという事実を受け止め分析した上で、小生の私見を記載致します。

□ 株価反発の分析

  1. 株式デリバティブによる演出
  2. 外国人投資家の株売一巡
  3. 本邦年金の月末買い
  4. イベント前のポジション(弱気)調整

小生が考える株価反発要因は上記の4点。順番に解説をしよう。

1.  株式デリバティブによる演出

株式デリバティブとは、日経連動債に対してそのキャッシュフローを作るための相手側の取引を指している。そのノックインレベルが8千円前後に大量にあったことは知られている。このことが大幅下落→急反発を演出したのである。

日経連動債の一例
① 日経平均が償還まで一度もノックイン価格(8千円)を付けなければ100円で償還
②ノックイン価格を付けると、日経平均を1万2千円(発行時の水準)で購入したこととなり、償還時の株価で金額が決まる
③ノックイン価格がついても、その後ノックアウト価格1万4千円がつけば100円で早期償還

上記の日経連動債のキャッシュフローを作るための相手側のポジションとは、日経連動債を空売りしているポジションをイメージしてもらえば良い。株価推移における相手側のデリバテッィブポジションに対するヘッジ売買以下の通り

1万2千円→8千円手前: 日経平均を買い下がる。購入額は8千円に近付けば急激に増えていく形。これは8千円がつけば1万2千円での売ポジションができることが背景にある。思い出して欲しい。日経平均が8千円に近付いてなかなか割り込まなかったのはこの特性が背景である。

8千円→それより下落の瞬間: 8千円がつけば1万2千円の売を持つため、一見買が増えるように思える。しかし、実際は8千円に近づく仮定でその売に対する買はほぼ満額購入しており、その後は1万4千円で1万2千円の買が発生するというポジションに対処するため、ヘッジの売が必要となる。8千円から7千円割れが加速度的に売が入ったのはその理由である。

前述のヘッジ売完了後: その後に下落が持続した場合、1万4千円から遠くなるため、早期償還の可能性が減り、その分前述のヘッジ売を買い戻す形となる。これが7千割れからの戻りを演出

このポジションのヘッジの今後は1万2千円~1万4千円で売が出てくるため、上値は重くなるそのことを想定すべきであろう。ちなみに、7千円割れをつける仮定で、日経連動債の残高の8割以上がノックインした模様である。このことを前提に今後の戦略を立てるべきであろう。

2. 外国人投資家の株売一巡

12月が外国人の決算であることは皆さんご存じの通り。このため、11月にヘッジファンドの解約期限があり、毎年秋口には外国人投資家の売が出ることは季節的要因として知られている。特に今年は、運用成績が低迷しており、解約必至のファンドが相当に多いと思われる。ファンドはこれに備えて、現金を用意する必要があり、このことが足許の相場低迷につながっていた。当然のことながら、下落予想が強い相場である程、売却を急ぐ傾向にあるのではないか。10月にして、現金が十分に用意されている可能性は相応に高いとみている。

ちなみに、海外のファンドは運用は円ではなく、米ドルベースである。日本株は下落していたが、円高が進行したため、米ドル建ではそれほど損失が出ている訳ではなかった。株売後、円売ドル買が入り、円ドルレートが90円から急反発するおまけもついた。

ドル転された資金は再び、円にそいて日本株に向かうであろうか?そう考えるならば、日経平均の上値追いも一興となろうが…。

3. 本邦年金の月末買い

年金の運用の特性として、株式運用比率を維持する。株価が半額になったとすると、他の資産の価格が変化がないとすると、保有と同程度のか株を購入し、比率を維持する必要がある。足許で、1万1千円台から7千円へと3割強の下落があったことからすれば、保有資産の2~3割の買い増しをする必要出ていた。実際、その準備として10月初旬から日本国債を売却し、株式購入資金を用意していた。この買出動が月末になるのには理由がある。月末をベースに報告をするため、購入後に下落して含み損を抱えたくないというのが一つ目の理由。もう一つの理由は月末のドレッシング(お化粧)。保有している株式の含み損を減少させるため、評価を上げるために買いを入れるということである。

月末を超えれば年金の買いはどうなるだろうか?また、相場が戻った場合、年金は買いではなく売に転ずるのではないか。以上を踏まえると上値を追えるか…。

4. イベント前のポジション(弱気)調整

心理的な要素として、11月4日の米国大統領選挙があると考えている。現状ではオバマ民主党候補が優勢であり、その期待感から経済や株価が好転する可能性がある。信任大統領が誕生するに当たり、一般教書演説(就任する1月下旬)まで相場が堅調となることは良くあることである。

以上を踏まえ、上がらないまでも下がらないという事態は十分に考えられる。各国の協調(11月15日の会議)で売りの反動が出る可能性もなくはない。このため、利益があるショートポジションを閉じる誘惑に勝てなかったのだろう。

米国が期待通り行けば株価の上値追いもあり得る。しかし、往々にして期待は裏切られることが多いのも事実。さて、どちらに賭けるべきであろうか。

最近、まめに更新しています。決して暇なわけではありませんが、記載できるネタが豊富な状況にあるためです。小生が記載したことは株を売買する方にとっては周知のことと思います。もし、これらを知らず、売買している方がいるとすれば、株価の値動きに一喜一憂し、相場に振り回されると思います。ご参考となれば幸いです。

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