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不動産不況再び(マンション購入検討者に捧ぐ)

何時もはマクロ的な見地で記載していますが、不動産業界に焦点を当てたいと思います。これからマンションを購入したい方は、今、株を購入することと同様のリスクを孕んでいることを御認識の上で、最善の決断をして頂ければと思います。

□ 米国サブプライム問題の影響と言うのだろうが

不動産各社は今期(平成21年3月期)決算の予想収益を下方修正。その理由として、米国サブプライム問題を挙げるが、それは正しくないと考えている。不動産会社は基本に立ち返り、マンション購入者の満足度を向上させることで利益稼ぐ形を目指して行って欲しい。

さて、米国サブプライム問題に話をもどそう。不動産業の経営者にとって、誤算は”ファンド”関連ビジネスの破綻である。そのメカニズムを簡単に以下に示す。

  • 世界中にあふれた資金(過剰流動性)が米国・英国等の不動産市況を押し上げ
  • 米国・英国等の不動産が割高となり、行き場を失った資金が投資対象を探す
  • 日本の都心部マンションに不動産利回り基準をベースとした投資を実施
  • 円資金の調達金利が低いため、利鞘としては相応に確保
  • 資金流入で日本のマンション価格を押し上げ、更に投資を拡大
  • 姉歯問題で一時的にマンション供給が絞られた
  • 団塊Jrの住宅取得時期に重なり、マンションの需給をタイト化

上記のように、株式投資の代用として、マンション価格が引き上げられていたという状況に陥っていたのは確かであろう。上記の状況から、サブプライム問題発生後にどうなったかを以下に示す。

  • 米国・英国等の不動産市況が悪化
  • ファンドの資金繰りが悪化
  • 円金利は低いままであるが、信用リスク分で借入金利は上昇(利鞘縮小)
  • ファンドが資金化で中古物件の売却を進めている
  • 団塊Jrの住宅取得に一巡感

この状況で、首都圏のマンション販売価格が高止まりしている。特に、今まで買っていたファンドが売に回っている影響が顕在化する可能性がある。株式等の値段がはっきりして売れるものは直に売却されるため、一気に売が出て既に日経平均6千円台をいう水準までつけており、山場は去ったと思われる。しかし、不動産はどうだろうか?売却に1年以上の時間を費やすことは間違いない。米国・英国がそうであったように、日本の不動産はこれから値段を下げていくのであろう(実際値引き販売がされているようですが)。お隣の中国は既にその兆候が出ている模様ですけど。

□ もう一つの下落要因=貸し渋り

実は銀行が貸し渋りに入っている。実地検証をするため、マンション・デベロッパー経由でメガバンク2行(残り1行は返事待ち)に『提携ローン』を申し込んでみた。結果、2行とも否のとなった。借入額は年収の4倍程度(頭金なし)であるため、一般的には問題のない水準である。詳しい話を当該メガバンクに聞きたい所であるが、担保となるマンション価値が下落すること、金融関係の社員の収入が減少することを見越してのことと思われる。このような状況で、3~4千万円の物件はともかく、5千万円超の物件を購入できるものは皆無であろう。ちなみに、小生が申し込んだ物件は、3年前の水準から考えれば、2割以上高かいと考えている。3年前の水準に戻れば買いも入るだろうが、現状で購入する人間は少なく、相応の値引きが引き出せることは間違いないだろう。

銀行が貸し渋りに動くのは、株価が下落したため、含み益が減少し、リスク資産の圧縮を迫られているからである。特にメガバンクはBIS自己資本規制8%を守るために、そのような指示が出ている可能性があるだろう。借入を行いたいという方は、国内銀行規制の金融機関(地銀、信金など)を当たられると、調達できる可能性は上がると思われる。

□ 潰れたデベロッパーのマンション価値

購入したマンションのデベロッパーが万が一倒産した場合、資産価値はどうなるだろうか?少なくとも、不具合修正などのアフターサービスを受けることができなくなるため、その分の価格目減りすることは勿論のこと、従前の経費節減の影響を危惧されることは間違いないだろう。結論からいえば、マンションデベロッパーが倒産した場合、そのマンションの価値は激減する。潰れないデベロッパーのマンションを購入することが必至となる。

正直、今回の不動産不況の影響がどの程度になるかは計り兼ねている。一部の不動産会社は今の状況が異常に悪化し過ぎているだけとの強気姿勢を崩していない。この点を考慮すると、今年度決算を終了し、それが開示される時期(来年5月頃)を待つ必要があると考えている。

政府が住宅ローン減税の拡充するため、年明けから不動産市況がやや回復するかもしれない。しかし、底支え要因に過ぎない。そもそも前述のように銀行の融資が絞られている状況で購入できる絶対人数が足りないのではないか。銀行の融資が回復する必要がある。そのためには株価水準の回復が絶対不可欠な状況となるだろう。

株価が更に下落すればどうだろうか。不動産市況が不動産会社を倒産に追い込んだらどうだろうか。マンションを購入される方はこの点を充分に検討された方が良いだろう。

何時ものネタとは違って、マンションを採り上げました。小生は、価格が下落するならばマンション購入のチャンスと考えています。保有するマンションが売れることが条件とはなりますが、来年中に購入できれば良いなあと考え、11月から行動を開始しております。

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