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沈む経済、そして世界中の政策金利はゼロに収束(不況対策に余念のない方に捧ぐ)

最近、市場解説の記事が多く、経済環境についてほとんど記載していなかったため、これを採り上げます。初めに結論を述べますと、少なくとも日米においては政策金利がゼロに収束することが見込めるほど、経済情勢が悪化しています。既に周知のことではありますが、纏めになれば幸いです。

□ 米国雇用統計(12月5日発表)

悪い悪いとの認識は誰しもが持っていたと思われるが、ここまで悪いと予想した者はいないのではないか。

11月非農業部門雇用者数が前月比▲53.3万人(予想▲34万人)、同時に10月の同数が▲32万人(従前▲24万人)へ、9月の同数が▲40.3万人(従前▲28.4万人)へとそれぞれ大幅に下方修正された。単純に計算してこの3か月で▲125.6万人の雇用が喪失したことになり、今後の個人消費等への悪影響は避けられない情勢となっている。

これを受け、PIMCOモハメド・エルエリアンCEOは米国10-12月期GDPが前期比年率▲4~▲5%の見通しを示しているとの報道(Reuters)や、米プライマリーディーラー16社すべてが次回FOMC(12月15・16日)で0.5%以上の利下げ(内3社は0.75%利下げ)を予想しているとの報道(Reuers)がされている。現在のFF金利誘導水準は1%であるため、早晩FF金利がゼロに近接することは想像に難くないだろう。

□ 流動性の罠

米国の政策金利がゼロになると、日本人で米ドル資産を持とうとする人間は皆無となるだろう。その点から見れば、円高になるか、日本の金利がゼロになるかという方向性が見出され、円高不況の大合唱の下、日銀も政策金利をゼロに誘導することになるだろう。

政策金利がゼロになると、経済学の教科書である”流動性の罠”を思い出す人が多いだろう。流動性の罠についてWikipediaは
流動性の罠(りゅうどうせいのわな、liquidity trap)とは、金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となり、通常の金融政策が効力を失うこと。
と述べている。

簡単に言えば、金利はゼロ以下にはできないため、金融政策による景気底支えはできなくなるということである。このため、ケインズ経済学においては財政政策の有効性を主張している。同じくWikipediaには以下のコメントが載っている。
反面、クラウディングアウトの効果はゼロとなり、財政政策は完全に有効となる

※クラウディングアウトとは、財政政策に伴う国債による資金調達が市場金利を上昇させ、景気にマイナス効果を与えること

私見であるが、米国オバマ政権や麻生政権が行おうとしている財政政策の効果を疑っている。それは正しくクラウディングアウトの効果によるものと考えている。

現在の景気悪化は金融の悪化の延長線にあることは言うまでもない。金融環境の改善がない中で大型公共投資を強行したとすると、民間の資金供給を圧迫する可能性が高いのではなかろうか。確かにFRBや日銀の政策金利はゼロ近傍であるが、実際の借入金利はこれら安全利子率にクレジット・スプレッドを付与したものであり、クレジット・スプレッドの拡大を促す(その結果貸出金利の上昇)ことを危惧している。

実際、日本の金融危機において、金融機関は民間への貸し出しを増加させることはなく、国債への投資に傾斜して行った。成果主義の米国社会で日本的な公務員投資に傾斜することはないとの意見もあるかもしれないが、その危険性はそれ程小さなものではないのではないか。

そもそも米国は官民合わせると巨大な赤字を抱える国であり、クラウディングアウトが発生しやすい。その赤字を抱えた中でオバマ政権は金融の正常化と公共投資による経済の浮揚という二つの課題を克服する必要がある。

これに不安がない、と言い切る方がいるだろうか。政策金利がゼロになった時、株価下落と円高が本当の意味で始まると考えられないだろうか。

最近、小生よりも世の中の方が弱気論調が強くなっているため、そろそろ強気への転換時期が近づいていると思います。しかし、余りにも情勢が悪いため、もう少し様子見することが良いと考え、今まで通りの記載に終始しています。前々から言っていることですが、年明けからの状況変化を見極めてからということをお勧め致します。

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