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日米同時ゼロ金利政策導入(麻生総理に捧ぐ)

12月10日発売のビックコミック連載のゴルゴ13で、サブプライムローン問題が採り上げられました。来る12月25日にその後篇が発売になるようです。麻生総理におかれましては、これを読んでよく勉強して頂きたいと思います。尚、実態は劇画上のフィクションを遥かに凌駕していますので、その点を理解しておいてください。

□ 米政策金利は0~0.25%、日政策金利は0.1%

米国FOMC(12月17日)で、政策金利(FF金利誘導目標)を0~0.25%(従前1.00%)へ大幅に引き下げられた。更に声明で『持続可能な経済成長の回復と物価安定のために利用可能な全ての手段を動員する』を表明。

日銀政策決定会合(12月19日)で、政策金利(無担保コールO/N誘導目標)を0.1%(従前0.3%)へ小幅に引き下げられた。更に『中央銀行としてなし得る最大限の貢献を行っていく方針』を表明。

日米中央銀行は共にCP買い切りを実行することも表明(FRBはMBSの買い切りも実行)。日銀においては国債買い切り額を増額、FRBにおいては国債買い切りを検討することを表明。何れも非伝統的金融政策である量的緩和の分野に足を踏み込んだ。

□ 金融政策に関する私見

前回記載した『沈む経済、そして世界中の政策金利はゼロに収束』で日米政策金利が何れゼロとなることを予想していた。しかし、その時期は1月と考えていたため、思いの外、早期の実現となったことが少しサプライズであった。

一般的に中央銀行が早期の政策対応をすることは、市場にとって好ましいことであるが、現状小生はそとは考えていない。小生が利下げを1月と読んだのは、非伝統的金融政策導入に抵抗感があるため、伝統的金融政策の最後の砦であるゼロ金利政策導入が遅れると見たからである。しかし、余りの状況の悪さとかつての日銀の量的緩和導入が遅かったことを憂慮してのことであろう。つまり、世の中が思ったよりも悪かったから遅ればせながら政策対応をしたということであり、ビハインド・カーブ・リスクを負っていると考える。

しかし、救いがない訳ではない。かつての日銀が実行してきたことを早期に行ったため、一段の悪化に対して、更に踏み込んだ政策対応が期待できるようになったと思う。勿論、金融政策のみでは限界があり、政府による財政政策との両輪で行う必要があるため、諸手を挙げての楽観論を主張することはできるものではないが、行き過ぎた悲観論の後退にはつながることであろう。

更に踏み込んだ日本の金融政策対応への予想としては

  • 買オペ対象を国債から公共債(地方債・政府保証債)へ拡大
  • 株式購入の拡大
  • 証券化商品(特に不動産関連)の資金流動化(レポオペ)

を想定している。また、財政政策としては、公的金融機関(政策投資銀行)を介して間接金融の拡大をイメージしている。日本の銀行が反対するであろうが、日本の銀行が過小資本に陥っている中で直接金融が機能しない状況となっており、企業側への資金供給を確保することは不可欠であると考えている。

残念ながら何れも抜本的な政策ではなく、対処療法に留まる。そもそも、負債を拡大することで企業業績や景気を浮揚させることは有効な手段であるが、資本が過小であること(クレジット面での脆弱性を抱えること)を背景に好不況の振れを拡大させるに過ぎない。今行っているのは、民間が拡大した負債を如何に政府や中央銀行が拡充するかということであり、底支え効果はあるが、浮揚させる効果はない。このため、相場の上昇はテクニカルな反発に限られることを肝に銘ずることが必要と思われる。

小生の記載は麻生総理にとって難しく、理解されないとは思いますが、漫画以外でも勉強して欲しいと思います。他の皆様におかれましては、世の中が少し改善したということで来年1月以降の相場参加の現実感が増したことをご報告致します。最近の記載は日本経済との名に恥じないと思いますので、閲覧の減少は気にしません。本当は市場への影響を記載すべきなのかもしれませんが、最近は経済=市場と言えない面があり、ミスリードしそう(感じているのは意外と円高には振れない可能性)ですので少し控え目に記載して行くことを考えています。

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